このレビューはネタバレを含みます
ちょっとずつ時間を損している人が、それを取り戻す機会を神様から与えられるという設定がやさしくてよかった。一の父親が「幸せだったけど、この世界はペースが合わない」と語っていたのが心に沁みました。
時間停止が終了した後、一だけ他の人より一日長く寝てしまったのは、彼がせっかちな分、もう一日ペナルティを課されてるってことでいいのかな？ 7時に起きられてないということは一日で足りてないってことなのかもしれないけど笑。
レイカも冷静に考えると大分ヤバいやつだと思う。動かない相手を海岸まで連れて行って記念撮影するという発想、相当イカれてる...。砂浜で一を引きずってるシーンは清原ちゃんが殺人犯を演じた少し前の映画がフラッシュバックした笑。
それでも、一と添い寝する場面での彼女の表情はとても素敵だった。キスせずに立ち去るのも正解だったと思う。あのシークエンスでだいぶ清涼感を取り戻した気がします。
一は基本的に性格が悪いけど、突然いいやつモードに入るからちょっとずるい笑。
ラストシーンでレイカにパピコを渡されて表情を崩すショットがとてもよかった。一瞬にして「いい映画を見たな」という印象になりました。「ドライブ・マイ・カー」の車中のシーンもすばらしかったですが、岡田くんは瞬間的に人の心を動かす演技ができるんだなと思います。
子役の女の子、どこかで見たと思ったら朝顔のつぐみちゃんだった。相変わらず愛嬌たっぷり。男の子のほうも怪物で主演を務めていた子だったんですね。しみけんさんはエンドロールで知りましたが、おまもりの件の合点がいきました笑。
やっぱり京都の街並みがすてき。天橋立のゆったりとした景観もよかった。海辺の街で郵便の受付員をする生活も悪くないかもしれない。映画を観ると、別の人生に思いを馳せたくなりますね。
2023年24本目
