タイトルのほんわかしたイメージとはだいぶ違う、重苦しい世界観のアクション映画であった。
自分は原作未読なので、映画を初見しただけではこの世界観や設定を把握しきれず不完全燃焼なところがあったが、前半の主人公同士が惹かれあっていく部分で十分感動できた。そこだけでも映画として十分に成り立つくらい。
主人公（今田美桜）は、異能の力を代々受け継ぐ名家に生まれたのであるが、異能を持たなかっために継母や異母妹から虐げられて奉公人のように扱われる。そして、追い払われるように嫁がされた先には、気難しいとされていた婚約相手（目黒蓮）がいて、最初は冷たくされるのだが、次第に打ち解けて心惹かれあうという流れが何とも良い。
用意した食事を、初めて「うまい」と言われて泣き出してしまうところなど、観ているこちらも泣けてきた。
この段階で自分的には観てよかったという満足感があったのだが、後半の異能同士の戦いのあたりは、よく飲み込めなかったりこともあり、付け足し程度に感じている。
映像的には実際の古い建物を使ってロケした部分がとても綺麗で良く、CGのチープさを補っていた。時代設定は架空の世界との事だが、大正か昭和の初めかよく分からない。車が出てきたりするし、絆創膏を貼っていたりするし、そのへんがちょっと混乱する。
