シベリア抑留の実話とのことであるが、何となく既視感があると思っていたら1993年にテレビドラマで放送されていたとのこと。しかも、その主役は寺尾聰さんだったそうで、それで今回もキャスティングされたのかなぁなんて思ったり。
それで、今回の映画の方はというと、大筋は予告動画で分かっていたし、ドラマの既視感もあって、涙するところまでは感動できなかったという感じ。ミセスの「Soranji」もだいぶ聴き倒してしまった感もあるし、公開時点に観ていたらもっと高ぶるものがあったかもしれない。
終戦から11年間も抑留され強制労働させられたのはものすごく過酷な話で、映画で描かれる以上に肉体的にも精神的にも厳しかったと思うが、そのへんが少し抑え目だったような感じがする。
それに、最初の家族と別れ別れになるシーンも少しあっさりというか、主人公にはもっと頑張って逃げろよと言いたくなるところ。どこか怪我したのかもしれないが、その後10年近く抑留されることを考えると、あそこで頑張っておけばなぁと思った。
そんな感じで、家族との別れの辛さや抑留の過酷さが自分としてはもっと刺さるような描き方が欲しかった。
まあ、ラストについてはなるほどこう言うことか…と感動するとともに、Soranjiという曲名が“諳んじる(そらんじる)”からきているとのことで、うまく映画のポイントとなる部分とリンクさせていたんだなとミセスにも感心した。