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窓ぎわのトットちゃんのskynetのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
3.8
2023年の締めくくりはこの映画。
小説の続編発刊の会見で、子供の頃の戦争体験を思い出して書いたとおっしゃっていたので、そういうストーリーかと思っていたら、映画は最初の小説の話で、戦争に触れた部分もあるが、トモエ学園で過ごした時の話がメインのストーリーであった。

トットちゃんはすごく好奇心旺盛で活発な女の子だったので、普通の学校では他の子に迷惑と言われていたのを、トモエ学園の校長は受け入れる。
校長の教育を詳しくは知らないが、子供の可能性を信じて、子供の良いところを伸ばしたいという気持ちは伝わってくる。

その感性の強いトットちゃんと一緒にトモエ学園での出来事を追体験するような内容であり、全体通したストーリー性は少な目。ストーリーと言えば仲が良かった小児麻痺の泰明君との合流を描いた部分。

この泰明君との数々の思い出が感動的で、うるっとくるのであるが、自分はだいぶ昨今のコンプラ意識を刷り込まれているせいか、泰明君を気に登らせたり、リヤカーに乗せて坂を下ったり、プールに入れたりする場面では「良い子は真似しないように…」とテロップ入れなくて大丈夫かなぁなんて余計なことを考えてしまった。ラストの赤ちゃん抱えたまま走行中の電車のドアを開けて外を覗く場面でも、落としたりしないかヒヤヒヤしたりして。
そう言えば映画の冒頭に“時代背景を伝えるために〜”という注意書きがありましたね。

ちょっと引っかかったのは以前“トットちゃん”の名前の由来は黒柳徹子さんが幼い頃に舌足らずでテツコをトットと発音していたから…と聞いた覚えがあったのだが、映画ではお父さんが「トット助」と呼ぶからとなっていて、あれ?と思っていたのだが、後で調べたらどちらも正しいみたい。
まあ、そんな感じで、あの時代やトットちゃんの感性を体感できる映画であった。
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