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波待ちの10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

波待ち(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

財力はあるが妻に先立たれ孤独な高齢男性と、金銭トラブルを抱えた妙齢?女性が、反社会的グループと対決。一見、普通のドラマだが、オーディエンスを微妙にはぐらかす、とらえどころのなさが漂う。その最大のものは、反社グループに、金の入っていないダミーのバッグを渡すことに成功したものの、その後の行動を全く起こさず、結果的に金を渡すことになる流れの中での、主人公の思考。プロセスを楽しんでいるようにすら見えた。タイトル「波待ち」は、チャンスを待つという意味合いのヒロインの台詞で、素直に解釈するなら本作終盤の事象のメタファだろうが、どの事象?波は来なかったのか?人の生き様を、独特の感性で観察し、洞察し、ドラマ化する再現構成力を持った監督だが、本作は模索中の印象もあり、今後に期待。対象に距離を置きつつ細部を入念に作り込むスタイルは、私の限られた映画鑑賞史の中では、ジェームズアイヴォリーが最も近い。ラスト、海岸を走り去るヒロインを捉えた引きのドローンショットが印象的
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