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ブレードランナー ファイナル・カットの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.5
(1980年代が想像した)2019年 LA、見た目人間そっくりで知性、記憶、感情を有するレプリカントの反乱と対峙するブレードランナー。ストーリーは単純で、2時間という尺の割にはイヴェント少なめで、今の感覚では冗長さ、間の悪さが気になる。蛇使い女性レプリカントが銃殺されるシーン、女性レプリカントとのラヴシーン(ここでのハリフォの DV まがい言動も残念)、クライマックスのヴィランレプリカントとのバトルシーンなど、どれも長く、丁寧に描かれたというよりは、引き伸ばされたという印象が強い。また、ラストで床に落ちている折り紙のそれを含め、ユニコーンのシンボリズムも、中途半端にとってつけたような蛇足に感じられた。一方で、本作の評価ポイントがそれに尽きるだろうと思われる世界観は、さすがにやばい。オリエンタリズムは、それが現実に浸透した現代の目線では微妙だが、人工知能、空飛ぶ車、巨大サイネージ、コンピュータとの音声会話など、80年代センスというコスメレヴェルの違和感こそあれど、かなり的確にその後の技術進歩を予見している。Vangelis のシンセ環境音楽風サントラ、良くも悪くも視点の 80年代を強く意識させる
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