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ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師の10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.5
コンゴ民主共和国の内陸部、ルワンダ国境に近い地域で、武装勢力の戦略的レイプにより心身を傷つけられた女性たちを、治療し支える医師ムクウェゲを追った日本(TBS)製作のドキュメンタリー。本作は主として、2018年のムクウェゲのノーベル平和賞受賞を機に期待された状況改善が、ままなっていない現状を追っている。鉱山資源(ウラン、金、レアメタルなど)の産出地で、住民を恐怖支配するために戦略的レイプが行われていること、100以上の武装勢力の存在にはルワンダ虐殺からの経緯があること、政府が無力であることなどは、わかりやすく説明されている。実際にレイプに参加させられていた元武装勢力メンバーが、淡々と振り返るインタヴューが迫真。国際的注目度の低い国家規模の組織的暴力の、認知を広めたいという製作者たちの思いはよく伝わる。しかし、武装勢力という表面を、奥深い背後で動かしたり容認したりしている、究極的には先進国の物欲だったりアフリカ軽視指向といった、間接的で抽象度の高い原動力を、明言しにくそうなことも感じられた。サントラはピアノ、DAW のイージーリスニング風で、最初と最後にアフリカンポップスを少し
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