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正欲の10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

水にしか性欲を感じない 3人の人物たちの生きづらさと、支え合いの試み。彼らは、性的マイノリティを含む、何らかの生きづらさを抱えたり、マージナライズされたりしている人々の、特定でなく普遍的なメタファ/象徴と解釈。彼らの感じる生きづらさと、それを共有する者たちの絆は、その一人を自認する私がリアリティを感じ、共感するほど、かなり的確に描かれていたと思う。大学のダンスサークルリーダーとダイバーシティフェス実行委員との多様性トーク、広島の LGBT パレード TV 放送時のコメンテイターらの作り笑顔、TV 企画番組の「男の子だからって強がらなくていいんだよ」というナレーションなど、日本では 2010年代の、社会が多様性を受け入れようと努力するトランジションフェイズのぎこちなさも、リアルで刺さった。ラストの小児性愛ネタは、独立して進んだ複数のスレッドを繋ぎ纏める役割を果たしているが、テーマが散漫になった感がして残念。男性恐怖症の女子大生も、映画の群像劇色を、良くも悪くも強めている。キャスティングは完璧、ダンスは見事。水の音を強調加工した ASMR 的サウンドは秀逸だが、エンドクレディットのありがち J ポップは微妙だった
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