ちゃこ

ウエスト・サイド物語のちゃこのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.9
四季の舞台で初めて観たのは、中学生の頃に父とそのお友達二人と一緒に四季劇場 秋 へ行ったときだった。劇場に向かう道中、劇場横の高校から左に曲がる道で東宝系のミュージカルの広告うちわを受け取ったときに、父がバースタインの説明をしてくれた記憶がある。WS物語に、純粋で単純な(だからミュージカルにハマっちゃうんだけど)私は簡単に夢中になった。父の横で涙を流すなんて恥ずかしいから、ものすごく我慢した。それからまたすぐにチケット取ってもらって、何度か母と観に行った。

夢中になっていた時期に、ビデオを借りてきてもらって家で再生してこれを観た。そのときはよく分ってなかったけど(四季絶対信者だったから)、良く観たら結構凝ってる。吹替の歌声は自然。マリアの女優さん美人。落書きに見立てたエンドクレジットのセンスが良い。ラストシーンのスポットライト、濡れた地面が光の当たるところだけ円形に乾いていた。

どこから再生してもつい最後まで観てしまう。

たまに出るスペイン語が良いよね。これは英語じゃないとわからない楽しさ。

もう、後半はコロコロといろんな物事が短時間に起こりすぎて、まぢ辛ぃ。。

てか、音楽が良いよなあ。「不朽の名作」とかなにかのキャッチコピーに書かれてた気がするけど、舞台だったかオーケストラの選曲だったか、もうほんとそれ。

ああ!!もう!!!リメイク版楽しみすぎる!!!

悲劇系の舞台ってカーテンコール無音だったりして虚しさ半端ないから、間違い無くエンドクレジットのある映画版の方が心の整理ができて良き。『アメリカンスナイパー』の無音はしんどかった。

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I feel pretty 元気が良くて、恋に落ちるとこうなるの良くわかる。私もベイビージョーンにこうなったから。おほほほ

クラプキ巡査〜のナンバーの皮肉っぽさもクセになる。

アニタの女優さん、雨に唄えばにも出てる方なのよね。

マリア美人すぎ〜 眉毛と笑った時の口元とくびれが好き。

ツッコミどころには密かに笑って目を瞑ります。(ミュージカル信者だから)

(50年前の)現代版ロミジュリというけれど、どちらかといえばこっちが先のイメージだから、ロミジュリを観たときは答え合わせをした感覚。

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【ネタバレかも?】

マリアが生き残る結末は、死を選ぶより残酷。
「チノ、どうすれば打てるの。この引き金を引けばいいの?何発残ってるの、チノ!あんたの分もある!?あんたの分も、あんた達みんなの分!あたし達みんながこの人を殺したの。兄さんも、リフも。そして、あたしを。今なら殺せるわ。何もかも憎んでるもの!何人殺せるのチノ!何人!それでも一発残るでしょう?あたしの分が。……愛してるわ、アントン。」

愛する存在の死は、まだペットしか経験していないけど、この映画やいろんな経験を通してなんとなく感じられることがある。「人」に向けていた愛情は、その人が亡くなれば故人の魂とともに大地に還り、大地に溶け込む。風や空気、自然が発する音。世界を包み込む大きな愛になる。「愛してる。愛してる。ありがとう。」この言葉だけで充分に愛する人と繋がることができ、あなたは護られる。
っていう感覚に、ラストシーンでなった。
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