悪魔の毒々クチビル

犯罪都市 NO WAY OUTの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
4.7
「すまないがもう少し殴らせてくれ」

部署異動したマ・ソクトが新天地でも犯罪者をフルボッコにするお話。


マ・ドンソクの代表作と言っても差し支えないフランチャイズと化した「犯罪都市」シリーズの3作目。
既に4の特報映像が出来上がっていたりと、マブリー本人も非常に精力的に取り組んでいる人気作となりました。
本当はね、マブリーの舞台挨拶付きの上映会行きたかったんだけど、チケット取れなかったからね。クソ画像認証2回もやり直させやがって…

ソクトを取り巻く環境は変われど内容は基本的にいつも通り。
なんだけど、今作からマブリーのファイトスタイルがよりボクシングの要素を色濃く出すようになって、更にアグレッシブなシーンになった上にアクションシーン自体もシリーズ最多となっており爽快感が増していました。
強敵だろうが誰であろうが、ソクトの拳を受ければ車で轢かれたんかってくらい吹っ飛ぶ嘘みたいなド派手っぷりは、やはりマブリーの体格があってこそ妙な説得力が生まれるというもの。
今作はソクトも車に跳ねられたり集団リンチ受けたりと、割とボコられているんだけど逆にそこまでした後でも正攻法じゃ敵わないってことで寧ろ彼の異常な強さを引き立てておりました。

コミカルな要素も相変わらず面白くて、ソクトと仲間や敵とのやり取りの台詞は笑えるものばかりだし、シリーズ恒例の真実の部屋も今回はお掃除編になっていましたがこれがまた面白かった。
前作では無くなっていた弁護士紹介のくだりも復活していて、地味に一番嬉しい台詞でした。
あとおとりでチンピラを単独で向かわせる場面で、「撃って来たらどうするんですか」と言うチンピラに対して「ソクト兄貴なら"避けろ"とか言いそうだなー」と思っていたら本当に「避けろ」って答えていてニヤけたっす。最高っす兄貴。

笑える場面が多い一方で、悪役がとことん腐っているのもこのシリーズの魅力ですが今作もそこは変わらず。
汚職刑事も刺客として送り込まれたヤクザも悪なオーラ全開で良き。
日本から初参戦となった青木崇高らも良い演技だったと思います。
ただ前2作、特に前作のカン・ヘサンのような金に対する執着が超暴力的狂気と化していたあの異様な存在感と比べるとちょっと劣る所はあったかな。
新たな同僚達も悪くはない、いや全然良いんだけどやはりあの面白班長ほどは印象に残らないのが残念だけど、これはしょうがない。
4ではあの人が戻ってくるし、チェ・グィファもどこかで復帰してほしいですね。
そう言えば途中で加わった捜査官役の人って「バッドランド・ハンターズ」でマブリーに瞬殺された輩だったような。

前作の時点で8まで構想があるって聞いた時は「流石に出来るんか?」と思ったけど、このペースなら本当に出来そうよね。
最終的にソクトが逮捕した悪人らが徒党組んで犯人アベンジャーズみたいなの来そう。
取り敢えず4も韓国では今年公開予定らしいので、日本でも来年辺りには公開されそうって考えるとペースエグいですな。しかもちゃんとクオリティを維持出来ているのは素晴らしい。
まぁ作風そのまんまで突き進めば良いっちゃ良いんだけど。


余談ですが、現在多くの出演作の企画が進行中のマブリー。
その中でも特に、何ならこのシリーズの続編よりも期待しているのがイコ・ウワイス、トニー・ジャー、ジェット・リーと共演予定の"Nonstop"ですね。
あれっててっきりファンの二次創作だと思っていたので、まさかの企画実現に向けて動いているとはっていう驚きもある上にイコさんですよイコさん!!
またイコさんの新作が控えていると言う事実に歓喜不可避……!
しかもトニジャとジェトリまで!
ただイコさんは現在撮影中の"Skyline:Warpath"の後も"Ash"の撮影が何処かで入ってくるでしょうし、トニジャももしかしたら何かしらの企画が水面下で動いているかもしれませんし、ジェット・リーは体調面の関係もあったりで大忙しのマブリーとスケジュール合わせるのだけでも大変そうなので、実現するにしてもまだまだ先だとは思われます。