soutaの映画まとめ

手のsoutaの映画まとめのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
3.5
【soutaの邦画つぶやき No.545】
"手"


これまで年上男性とばかり付き合ってきたさわ子だったが、父親との関係が上手くいっていなかった。そんな時会社の同僚の森と関係を持ち、さわ子の中である心の変化が訪れる。


冒頭がもう下心が丸見えで若い娘を思い通りに出来ていると勘違いしてるおじさん生態集だった。ある意味世渡り上手・おじさんの扱いが上手いさわ子が数多く関係を重ねていくけど、どこかずっと満たされない様子がもどかしい。

言葉以外で相手がどんな人間なのか知るのはセックスだと言える。森とのセックスを毎回メモするのもそうだし、おじさんの写真をファイリングするのも さわ子は本気でその人のことを知りたいのだと思った。さわ子の気持ちを全て汲み取れた訳じゃないけど、彼女の救いは意外とすぐ側にあって、ほんの些細な出来事によるものなのが良かった。ものすごい遠回りをしていたのかもしれない。

あの時に繋いだ手、触られた手の感触は記憶以上に鮮明だと言える。私が思うに嘘をつかない人なんかいないし、その嘘つきの手なりにどう人と向き合っていくかだと思う。