soutaの映画まとめ

正欲のsoutaの映画まとめのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.7
【soutaの邦画つぶやき No.546】
"正欲"


広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、中学の時に転校した佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。二人は互いに抱えている"秘密"の唯一の理解者だった。


性的指向・家庭環境や男性恐怖症、様々な生き辛さを抱えた5人の登場人物を描く。水も滴るいいガッキーだったが、新垣結衣が俳優としての新たなフェーズ・並々ならぬ意気込みを全編を通して感じた。自分を偽らないと生きていけないこの世界で、やっと本当の自分を出せる人と出会えたのに、、


稲垣吾郎演じる検事が悪のように見えるが、大多数の意見が同じなのではないか。水に性的興奮なんて有り得ないって思うし、息子が小学生YouTuberになろうだなんて いい気持ちはしないだろう。確かに彼らは"存在"しているしそれによって救われる人はいるに、自分だけの物差しと価値観で"存在しない"と決めつける。想像すらしないのが殆どだと思う。

ラストの新垣結衣の台詞にハッとはさせられるが、極論あの幼児愛者も同じことが言えるのではないか。私は子供が好きで、それの何が悪い、私な確かに存在しているんだって。

彼らの生き方を許せとは言っていない。当然全ての生き方に寛容だったらこの世界は混沌するし、法律やルールの中で生きることは必要だ。共感なんて絶対に無理だが、性犯罪者には性犯罪者の価値観があり、彼らは確かにこの世に存在しているんだと頭の隅に置いておきたい。有り得ないは決してないのだ。論点がズレたかもしれないが、水フェチのマイノリティ以上にもっとマイノリティな人達がいることを想像してしまう。幼児愛者が捕まったシーンでそう思った。

この世はマジョリティ主義で、多数派の意見が正解・それ以外は間違いのような。様々な生き方があっていいという風潮にはなってきているが、それでも全ての人を掬いきれる訳じゃない。あってはない感情なんてない、ただ寄り添い生きることくらい許してほしい。