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カラオケ行こ!のhikarouchのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.0
2024年、館1発目。
原作ファン、というか原作者の和山やまのライトなファンなのだが、その目線からもこの映画化はとても上手くいってると思った。

原作漫画が、ビジュアルや突飛さではなく、間とワーディングで笑わせるタイプの作品なので、意外と実写化向きな題材だったのかもしれない。そう考えると、和山やまの他の作品の実写化にも期待してしまう。

原作のプロットを丁寧になぞりつつも、映画オリジナルの要素をうまいこと入れ込んでいる。
映画部でクラシック映画を重ねてきたり、ビデオデッキのくだりとか、映画ファンに対する程よい目配せも好感を持った。

山下敦弘監督、野木亜希子脚本で、主演は綾野剛と、センターラインをきっちり抑えているからか、話運びも、映像を使った見せ方も、とてもちゃんとしていて安心感がある。
(ただ撮影は、魚眼気味な広角レンズによる像の歪みがちょいちょい気にはなった。)

(見た目)神木隆之介の生まれ変わりのような(←生きてる)斎藤潤くんもとても良かった。最後のカラオケ大会なんかは、物語的にも、彼本人の歌唱力的にも、二重の意味でハラハラしながら親心全開で見守ってしまった。よくできました。

坂井真紀、宮崎吐夢、チャンス大城、北村一輝など脇役たちの確かなキャスティングと心憎い使い方もとても良かった。

なにより、僕が観に行った劇場がめちゃくちゃ良い雰囲気で、コメディパートもバンバンウケていて、多幸感がすごかった。「大画面のド迫力!」とかだけじゃない、こういうのも劇場の良いところよね、と再認識した日曜日の昼下がりであった。

さ、ファミレス行こ。
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