たす

カラオケ行こ!のたすのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.8
・声変わり前にだけ、あなたに訪れる、不思議な出会い…(となりのトトロ)

・私は、若い演者さんの「その時にしかできない表現」とか、若い演者さんの成長とか、そういったものも内包している作品が大好きなのですが(アイドルのドラマとか特にそう)、この映画は齋藤潤くん(および森丘中のみんな)にとってまさにそんな作品で、映画として素晴らしいのはもちろん、メイキングとかも早くたっぷり見たいなと思いました。ので、Blu-rayをすみやかに発売願います…買うので…

・特に「これは今しか出せないシーンじゃん」となったのが、終盤の聡実くんの歌唱シーンですね。泣くよあんなの。齋藤潤くんが「あのシーンで、聡実を見つめる狂児の顔が好きなんです」と言っていたけど、ほんと良いよね…。

・作中で合唱部が歌っている曲の歌詞と、物語のリンクも素晴らしい。

・1回見に行って、あまりの良さに帰りにすぐ原作漫画(+続編の『ファミレス行こ!!』上巻)を買い、翌週2回目見に行きました。それくらい良かった。

・ボーイミーツガールならぬボーイミーツヤクザで、くすっと笑える場面や(言葉を選ばず言えば)も、萌!!!という場面もたくさんあり、とにかく健康に良い…。

・原作を知らずに最初映画を見たので、エンドロール後に移るあそこのあの二文字に「!?!?」となって動悸が止まりませんでしたね。

・ビルの屋上で、狂児と聡実がミナミ銀座の風景を見ながら話しているシーンが好きです。

・「映画を見る部」の空気感も好きだし、合唱部の和田君も好きだな…。ここらへんの描写は映画オリジナルの部分が大きくて、でもここのオリジナル要素が青春ドラマとしての幅を広げていて、野木さんの脚本良いな~と感じた。









-----------以下ネタバレ-------------
・「愛とは、与えること」だとすれば、父と母から1つずつ貰ったお守りの片割れ(げんきおまもり)を狂児にあげようとする行為だとか、一生に一度しか失うことのできない「声変わり前の声」を終盤のあの「紅」の絶唱で狂児に捧げる行為だとか、ちょっと聡実くん、愛がBIGすぎやしませんか…。

・それくらい(映画のあのシーンのとおり)雷が落ちるような出会いだったのだろう。

・全体的にやわらかくてくすっと笑える雰囲気が漂っていて、まさしく「げんきおまもり」みたいな作品なので、早くそばに置いておきたい。リピーターが多いのも頷ける。

・2回見に行ったけど、どっちも「お父さんから貰った傘のシーン」と「キティの兄貴の刺青のシーン」がかなりウケていたし、自分も笑ってしまった。

・お父さん、いい味出してるんだよなあ。宮崎吐夢さんのあのホニャンとした表情がたまらない。お守りのシーンで、聡実くんがお父さんに対し「こういうの、どこで買ってくるん(※いつもちょっとヘンなのを買ってくるお父さんに対する、ツッコミ的な意味で)」と言ったのに対し、お父さんがちょっと照れたように(いやいや…)と手を振って(そんな良いもんじゃないよ、照れるなあ…)と明らかに「褒められた人」のリアクションをしていて、そこのすれ違いとかも面白い。
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