Yuma

THE WITCH/魔女 —増殖—のYumaのレビュー・感想・評価

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)
4.2
シリーズ2作目になる本作。前作の面白さのキモは中盤の豹変の部分だと思ったのですが、すでにそれを前作で見せてしまっており、また前作の成功に基づいて予算も観客からの期待も格段に膨張している本作の制作難易度はかなり高くなっているなかで、さてどうするか。と言うところが見どころです。

特に、事前の情報で、前作で名演技を残したキムダミさんが今作で主演から外れているというところについても、一抹の不安感を持った状態で視聴した方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、本作で主演を務めたシンシアさん、巨大すぎるハードルをしっかりと超えて、見事な魅力を発揮されています。とくに、前作の名シーンの一つといってもいい、ゆで卵の食い芸、あれ最高だったんですけど、今作の食い芸も最高の形で継承されてます。これだけでも絶対見た方がいい。
ご飯を美味しそうに完食する人に悪い人はいねぇです。

アクションについて言及します。
予算が拡大した分、前作以上にアクションにVFXをこれでもかと多用されているところについては好みが分かれるところかと思います。
私個人の感想としては、これはこれで面白くもあるのだけれど、どちらかというとネガティブな方に働いているかな、と言う印象を持ちました。

前作で描かれるのは、改造人間ゆえの少々非現実的なパワーを用いた戦いのレベルだったのですが、今作はちょっとそのパワーにインフレがかかり過ぎていて、リアリティラインを大幅に変更してしまっている。これによって、前作の戦いで見せた超パワーがが極めて小さいものに写ってしまうし、設定上、脳のポテンシャルを引き出す改造だったはずなんですけど、流石に今作で見せるような超再生とかサイコキネシスについては別の説明が必要になってくる。
ドラゴンボールで例えるなら、前作を最初期のRR軍との戦いとしたら、今作は一気にサイヤ人襲来くらいまでぶっ飛んでしまっていて、現実世界からかなり切り離された次元での出来事に見えてしまうからです。

そういった点も踏まえて、前作よりはスコアを落としつつも快作アクション映画として高い評価をキープしている今作、次回作を楽しみにまっています。
Yuma

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