Yuma

あしたの少女のYumaのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.7
胸が苦しすぎて最後まで視聴するのが本当に辛かった。
あしたの少女、というタイトルの原題は「次のソヒ」つまりこの連鎖は次にも継がれていくという意味だと思いますが、これが最恐。

本来助けあうべき経済的弱者の立場にある人たちが、今にも抜け出したい現実を失わないために、他の弱者の嘆きを対岸の火事と決め込んで鎮火するのを待つしかない現状。

あるシーンで、強い、と思っていた子供が目の前で涙を流して助けを乞うているのに、目を閉ざし、お前を信じているというその言葉は、どんな気持ちから発せられているのだろうか。感情を持つことができないほど現実に麻痺させられているのだろうか。


別のシーンでは、ある人が、足が冷たそうだった。早くタクシーに乗せてあげたかった。というセリフがあって、、こんな時、靴下一枚分の暖かさがあれば、あるいは別の未来もあったのかもしれない。と思えるほど、命が薄氷の上にギリギリのバランスで置かれている。

こんな現実を守るために子供達から搾取するしかない大人たちに、この子達では言い返せないことを言い返してやりたい。
辛い現実をただ耐えているみんなに、ワカルとだけ言ってあげたい。

他の仲間、同僚、学校に迷惑をかけないため、を標語にして子供達の心を搾取する残酷な社会に負けるな。

俺たちは最高で素晴らしいのだから
Yuma

Yuma