山本Q

イコライザー THE FINALの山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


とうとうシリーズ最終作!2のラストがやたら良かったし最後っぽいので見れたら劇場でみようかな。というテンション。タイミングも良かったのでIMAXで見れた。


今回は近年稀に見るゆったりした流れ。展開も複雑じゃなくそのまんま流れていく。けど飽きたりダレたりはなかった。派手なアクションシーンは、別な映画で食べ過ぎてたかもしれない。じっくりとマッコールさんと街の人の交流が楽しめる。90年代以前の丁寧な映画を見ているような感じもちょっとある。

見どころとしては、マッコールさんの居場所が見つかったところかな。なんか転々としてる感じだけど、わざわざ街に対する愛着を口にしてるくらいなんで気に入ったところが見つかって良かったとしみじみ思う。「カフェでお茶するシーン」が何度も繰り返されるうちにだんだん見てるこっちもこの街が好きになってくる。

お話はCIAまで出てきてどこにいくのかと思ってたけど、けっこう近場で畳めたなという印象。ギャングの手下の数が妙に物足りない気がするのもあの「別な映画」のせい。
これであの街も平和になって、みんな安心して暮らせるね。という流れは現実的ではないけど、ファンタジーとして映画内でそう思わせてくれる妙な持ち味。今回は、CIAの女の子が誰なのかわかった時はグッときた。あの上司に対する思い入れが「昔世話になった」を超えている気がする。ただ、この人の場合「義理」の敷居が低い、というか「義理」に払う対価が以上に高い気はしないでもない。

キャストはそんなに多く無いけど、ダコタ・ファニングがキャスティングされているのを知らなくて、顔を見た時は得した気分。敵役は憎々しくてかっこよくて兄も弟も良かった。そういえば冒頭のおじいさんも良かった。デンゼル・ワシントンは相変わらず良かった。シリーズになるキャラクターだけあって魅力的。今作はちょっと西部劇っぽいか流れかも。

アントワーン・フークア監督作はあんまり見てないけど、見てみると面白いものが多いので今度見てみようと思って見れてないことが続いている。

アクション映画は人を殺したいけどただ殺すのはまずいから大義名分が必要。という葛藤を抱えていて、その葛藤と向き合っている作品は面白いと思う。
今作は普通の人が抱え込んだ悲しみの帳尻を合わせる(イコライズする)ために行われる容赦の無い暴力という、アンバランスな見せ方がシリーズの骨子だと思う。そのためによく考えるとマッコールさんが常軌を逸した人間になっちゃってるところが面白い。
山本Q

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