山本Q

機動警察パトレイバー THE MOVIEの山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

どんなだっけと思って久しぶりに鑑賞。
劇場では見てないもののことあるごとに見ている気がする。

ちょっと見てみて、流しながら作業しようかと思ったらひと時も目を離せな苦なってしまった。
相変わらず面白かった。懐かしさよりも面白さが勝る。すごい。
押井監督はまだちゃんとエンターテイメントをする気があるみたい。喜劇的なやり取りも面白いし、ロボット同士の対決シーンもちゃんとある。巨大な構造物の倒壊などロマンも乗っかってる。それらが、違和感無く古き良き映画的話法で語られていて本当に凄い作品なのでは?と改めて思う。
作り手側は、わかりやすすぎ、説明しすぎ、の匙加減はあると思うけど、わかりやすくしたことで得られる楽しさがかなり楽しい。

特車二課の面々や整備課のガヤガヤワイワイとした感じも楽しいし、いかにもなキャラのいかにもなやり取りが、ちゃんと盛り込んでるのも嬉しい。
当時の先端技術(コンピュータ制御)に対する危惧や開発一辺倒(バブル)の価値観への疑義など、社会的な背景も盛り込んであり隙がない。

改めてお話がミステリーなのにも思い至った。そうだった。パトレイバーやロボットアニメ目線で見てしまうけど、主軸は「レイバー暴走事件の真相」をめぐる犯人探しだった。犯人の形跡を辿るパートがアートよりだったりで忘れてたけど、しっかり物語進行の主軸になってた。

当時としては映像的に斬新な表現も多々あったと思う。どうしてもそこに目が行くけど、これだけ受け入れられているのは、やはり映画的なおもしろさが抜きん出ていたからと改めて。

これだけのものを作れば、あとは作家性の追及に興味が移ってもしょうがないと思う。
スカイクロウラで止まっているので、見直したくなった。
山本Q

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