彦次郎

丹下左膳餘話 百萬兩の壺の彦次郎のレビュー・感想・評価

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)
4.2
何の価値も無いと思って譲られた鉢が「百万両の壺」だった事から巻き起こる騒動を描いた人情時代劇。齢30を待たずに死去(本人は嫌がってるのに日中戦争に行かされた)した山中貞雄監督の傑作。
隻眼隻腕の異形剣士である丹下左膳が主役ですがチャンバラでなく人情ドラマになった事を原作者が不満に思いタイトルも外伝的な扱いになっているそうです。恐らくは居候で妻のお藤さんにも頭が上がらないオッさんという点が原作者のイメージと合わなかったと推察されます。
しかし子どもに10秒目を瞑らせ敵を躊躇いもなく瞬殺する辺りは却ってやる時は殺るという最強&最凶さが出ていたと思います。
自由を求めて遊び場に繰り出すお侍との会話、左膳やお藤さんの口は悪くても不器用な愛情など日本人の琴線に触れるのでしょう。
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