このレビューはネタバレを含みます
やはりベルイマンは台詞が多い。しかし、北欧の景色が美しいせいで、画としても観ていて心地よいのだから、スウェーデンという国はずるい。
映されるのは、画に描いたように老人らしいシェストレムの、過去と現在、夢現。
人間、歳を取ると、ただただ死ぬのを待つばかりだ。
しかし、この映画はただただ老いる事の哀しみを描いただけではない。様々な人との対話による心の流れ。男女関係。北欧の美しい自然。道程...
要するに、なんだかんだあったけど、私は生きてます、という、老いや死すらも人生なのだ、という肯定的な噺。最後に待ち受けているのが死ではないのも、面白い。