マヒロ

バーバリアンのマヒロのレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.0
新しい仕事の面接のため地方からやってきたテス(ジョージア・キャンベル)は、デトロイトの郊外にある民泊施設を利用しようとするが、仲介業者の手違いかそこには既にキース(ビル・スカルガルド)という青年が泊まっていた。最初は警戒しつつも共通点を見つけて仲良くなっていく二人だったが、その晩奇妙な出来事が起こる……というお話。

ジワジワと謎を散りばめながら、不意にそれを回収したかと思えばぶん投げて進んだりと、とにかくこちらをケムに巻くような意地悪な展開が面白い。ホラー映画のセオリーを匂わせつつそれを裏切ってくる形なので、特に序盤は何が起きるかわからないハラハラ感があってなかなか怖かった。

ただ、ミスリードに全振りした結果、意味深なだけで何もない描写というのも結構多くて、正直ズルさを感じてしまうところもあった。確かに着地点は予想がつかないものではあったが、ホラーとして斬新かと言われるとそうでもないので、最終的には展開が期待を超えてこなかったという印象。
ある一つの太い設定があってそれを悟らせないために撹乱してくるというより、最初からミスリードすることが前提でそこに設定をくっ付けてきたような、言うなれば「手段が目的になっている」タイプの作品かなと思った。主人公がやたらと正義感を発揮したり、途中で登場するある存在が異様に強いところなど、理由がよく分からない部分も多く(ホラー映画だからと言ってしまえばそれまでだが)、それが面白さに繋がるタイプの作品もあるが、今作はそれがモヤモヤのまま終わってしまったかな。

(2022.240)
マヒロ

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