たぬき

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのたぬきのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これはもう、映画にしてくれてありがとう。
キャストスタッフ、この作品に関わったすべての人へ、この実話を映画にして世に広めてくれたことへの感謝の意と、映画としても素晴らしい作品となっていたことへ拍手を送りたい。てか送る。

あのですねー、もう人間ドラマとしての構成も、演出も、キャラクターの葛藤も、1シーンしか登場しない人物の動揺すらも、全てが必見。
実話なのに、実話と思って観てるのに、映画として昇華された作品を観ている感覚が強くなっていく。
もちろん、実話ですが。
(ちなみに原作は、読み進めが遅く半分くらいまでしか読めてない…)

ま、いうて原作のボリュームからは、映画としてピックアップされていくところがあるけど、でもそれでも、すべての要素において素晴らしく良く仕上がった映画だと思う。

細かい印象的なところとしては
・オープニングが素晴らしい(あれで、ただの実話映画でないことが伝わってくる)
・ミーガンの、トランプ告発でオンレコしてくれた人へのバッシングが(おそらく想定していたものよりも)酷いことへの動揺
・キャリーマリガンの芝居やべぇ
・ふたりが双子コーデなったの微笑ましすぎる
・ミーガンのりんご食って早々?にゴミ箱に放るのかっこよすぎ
・ところどころ挿入される被害者の若い頃のシーンの重さ、尊さ
・終盤の、若い頃のみんなを立たせる演出(号泣)
・ロウィーナの夫に、ワインスタインの話をしたジョディの動揺と、夫の困惑は生々しく辛い
・ゼルダかっこ良すぎる、あんな人になりたい
・ジョディの子どもが「レイプ」という言葉を発して「カジュアルに使ったらだめよ」と伝えたあとの「ごめんなさい」て謝ったのが切なすぎて、ジョディの「あなたは悪くないのよ」に100万パーセント同意だった(ほんで泣いた)
・ローラの子どもたちが、母の病気を知ったであろうのちに泣いて身を寄せるところが素敵だった(泣いたし、自分はあんな風にできるだろうかと思ってしまった)
・どのシーンか忘れたけど、ジョディが夫とベッドにいて、子どもが「悪夢見た」てくるとき、夫も目開いてて、子ども来る前になにか会話(シーン)があったのかな?と思った→脚本確認してみよ
・パンフの監督インタビュー曰く、性被害シーンや裸のシーンを作らなかったのは議論の余地がなかったそうで、納得したし素晴らしいと思った
・トランプとワインスタインの登場のさせ方素晴らしい(あんな出方なのに、十分な恐ろしさを演出できている)
・社食?いいな
・全編通してセンシティブな内容だからこそ、キャラクター、俳優の表情や声の細やかな揺らぎは映画史に残すべき宝


つーてな、まじで素晴らしいところありすぎたよ
全人類、特に芸能関係者、見てくれ、これが世で起きてることなんよ

見えない、見てないところに何かがあるかもしれない、そう思いながら、感じながら生きてゆきたい

この作品を産み出してくれてありがとう!!!!!!!!!!
たぬき

たぬき