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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのdarumaのレビュー・感想・評価

3.9
「ウーマン・トーキング」とセットで名前を挙げている方がいらっしゃったのですが、なるほど…!どちらもブラッド・ピットが絡んでいて、同じような問題をテーマにしています。

事前にMeToo運動の先駆けみたいな事は見かけており、WOWOWの冒頭トークで実話ベースだということを知った状態で観ました。

私の洋画鑑賞にあるあるの、顔と名前が一致しない状態が最後まで解消されずに終わってしまったので(いや自分が悪いんですけど)、スコア4越えにはしなかったのですが、ちょっと泣きそうになりました。

まったくそういうシーンは出てこないので(後でいくつか記事を読んだらそれがウリっぽい所もあったのかな?と思った。WOWOWのエンドトークでも、本作のスタッフは各部署のチーフが全員女性と言っていました)、視覚的に伝わるか…というと、めちゃくちゃ難しい所ではあると思うのですが、なんだろう、性被害によってどれだけ心に傷を負うのか(一生がダメになる)、そして、声を上げることの恐怖、が、物凄く伝わりました。

なので、実名を出していい人が出てきたところで泣きそうになった。

新聞社がメインで進んでいくのもあって、ちょっとだけ邦画の「新聞記者」を連想しました。あれも前半はセクハラ問題ですよね…。

メイン二人の女性がごっちゃになっていたのですが(出産後の方と、お2人お子さんが居る方)、どちらも母親というのが絶妙だと思った。
あと、冒頭でも別の女性が二人出てくるのですが、この二人とメイン二人を掛けているというか、シスターフッド感がとてもよかった。

そして、出産後の方(がミーガンですね)を演じていたのが「プロミシング・ヤング・ウーマン」の方だったんですね…!!
(キャリー・マリガンさん。お顔がわからなくてすみません…)
配役が絶妙すぎる。
WOWOWのエンドトークでも言われていましたが、会議室でワインスタイン御一行を見る眼差しがめちゃくちゃよかったです。

個人的にはジョディを演じていた方が結構好きかな、と思いました。メガネが似合う。
あと、新聞社のボスを演じていた方がカッコよかった!(役どころのカッコよさ)

関係性がよくわかってないんだけど、終盤に出てくる男の人で、道で会って話を聴いてスマホを落としそうになった人…(ちょっとオーバーリアクションなんだけどそれが自然)、咳払いして話す人、この人の演技好きだわ、って思った。(どちらの特徴も天音くんを連想した。うっ、真面目な作品観てるのにすみません!)

どんな内容か全くわかっていなかったので、家族の誰かに内通者が居るんじゃないかとか、娘ちゃんたちが何らかの被害に遭うんじゃないかとか、サスペンス的な想像をしながらドキドキしてしまった…ご安心ください。いわゆる実話系の王道、エンタメには走らず、終始真面目な展開です。

あるシーンで「女性を会議室に集めて一堂に会すれば」みたいな事を言っている台詞があって、「まさにウーマントーキングじゃん!」って思った。意図的だったのかな!?
公開時期も近いんですね…本作が2022年11月18日、ウーマン・トーキングが2022年12月23日。本作のほうが先なのか…でもウーマン・トーキングは2022年9月2日にプレミア上映しているみたいなので、やはり引っ張っているのかも!?

WOWOWで観ましたが、アマプラ見放題にも来ています。
視覚的な刺激は強くないので(想像力がある方には辛い部分もあるかもしれませんが…マジで人物的には最悪)、こういう系が苦手な方にもおすすめです。
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