daruma

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのdarumaのレビュー・感想・評価

4.0
レンタル屋さんで新作OKのクーポンが複数出たので鑑賞。これは推しの事務所さんに所属してる方が出られてたのと、ごんすさんが高評価を付けられており気になっていました。どちらも納得。テーマはそこまで珍しくないかもですが、あまり観た事のない感じの作品です。

ぬいぐるみに話しかけるサークル(?)に所属する、大学生のお話。

キャスティングが「町田くんの世界」「子供はわかってあげない」の細田佳央太くんと「いとみち」の駒井蓮ちゃんがメイン、脇に「佐々木、イン、マイマイン」の細川岳さんが出てきます。…ということがすべてを物語っているような作品です。完全にどれも連想してしまった。(唯一、いとみちだけは、最後のほうまで駒井蓮ちゃんと気づかず(華村あすかちゃんかと思っていた…またか!)、彼女だとわかった時点でああこういう作品に出そうだ!という意味で連想した)

京都が舞台の学生ものということで、序盤「ワンダーウォール」を思い出した(京都に気づいた時点で評価が上がった、笑)
冒頭に高校時代が少しだけあって、ほぼ入学式後のシーンから始まるのですが、Rのロゴの紙袋持ってた…立命館?なのかな?(全然知識が無い。私が知ってる京都の大学名)エンドロールでやっぱり!
鴨川デルタも出てきます。
ワンダーウォールとは全然角度は違うんですが、京都、いいなぁ…
なんかいいなぁと思わせるものがある。
そういえば、ワンダーウォールに出てる天野はなさんも本作に出演されてました。

ちなみに推しの所属事務所で出ている方、最後まで誰だったかわからなかったのですが…思っていた方とは違った。。(あまり存じ上げない方だった。)最後の人、かな?

個人的には白城さんが好きすぎた。
ぬいぐるみサークルは物凄く繊細な人たちの集まりなんだけど、彼女が唯一、いわゆる一般的な視点に近い人というか、戦っている人?(いや、皆、闘ってはいるのだけれど…)
途中までは「この人違和感…」と思いましたが、逆にそういう事だったのか!と。
めちゃくちゃ感情移入してしまった。
最後の台詞も効いてる。好き。
新谷ゆづみさんという方が演じられています。お初かな?と思いましたが、作品自体はいくつか観ていました。というか、観たい作品に出すぎ…ちゃおガール御出身、アミューズの方なのか!納得(細田くんがそうですよね…?)ポスト山田杏奈ちゃんというところかな…?ちょっと気にして見ていきたいかも。

終始ほんわかなんだけど、随所にマッチョイズムに対する批判というか、かなり女性視点が入ってる感じです(逆側の男性視点ともいう)。監督は金子由里奈さん。「21世紀の女の子」を担当されている方で(未見なのですが観たいと思ってる)、それも納得すぎた。

ぬいぐるみを洗うシーンが何回か出てきます。私はあれは、俗世の汚れを落としているんだと思った…ぬいぐるみは嫌な言葉、たくさんの悲しみをぶつけられても、黙って皆の話を聞いている。どんどん溜まっていっちゃう…それを、洗い落としている、という意味なのかなと思いました。

そして、ぬいぐるみ自体が、ぬいサーのメンバーも表しているんだと思った。物言う人ばかりが目立つ時代、感情をぶつけられても、沈黙を守っている人たちにも心はあるんだよ…むしろそういう人に光を当てて!みたいな監督の気持ちが入っているのかな?という気がした。

ぬいぐるみがとにかく可愛すぎる。ぬいサーの部室に行ってみたい。メイキングにも入っていた、河原を歩くシーンでカバンから片手が出てるぬいぐるみがめちゃくちゃ好き!

総じて、アミューズの若手売り出し作品として(主演も脇も含めて)、成功してると思う。これ系(アミューズのインディーズ系?実験系?新進系?)は結構異端で良作が多い気がする。(私の中の代表例は森山中教習所)
配給イハフィルムズ(思わず「街の上で」かと思ってしまった、笑)、観た事のある作品はありませんでしたが、ちょっと気になります。「春原さんのうた」は観たいと思っている作品です。
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