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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのmitoのレビュー・感想・評価

4.2
2022年122本目。
超多忙なデザイン会社に務める朱海は、家に戻れず月曜を迎え、更に地獄の一週間を迎えようとしていた。
仕事を始めようする朱海だが、突然後輩二人が声を掛けてきて「自分達はこの一週間をタイムループしている」と主張する。

開始直後からタイムループが進行している「パーム・スプリングス」型の作品。
斬新なのが、大抵のタイムループモノが「タイムループという事象がタイムループを体験している個人だけに閉じることが多い」のに対して、この作品はどんどん発展していって、最終的にチーム全体でタイムループに挑むという点。

前半の、チーム全員にタイムループを理解させていく展開がしょうもなくて最高に面白い。最初観ている側も少し小馬鹿にしていた「上申制度」がマジで機能する状況や、前半ラスト、部長へ理解させるための3回目のパワポのアホさ加減はここ最近のコメディ映画の中でも随一。

後半のちょっと人生訓になるような話も、キーとなる漫画の内容がリンクしていたりと悪くない。
というか、何かよくある語り口なのに、あの漫画の内容に結構ぐっと来てしまったよ。

あとは全体的に情報過多にもならず、不足にもならない、塩梅の良さも良い。
とある人物が実は最初から…みたいな設定の仄めかし方とかも、ハッキリと言わずに、予感させる具合で抑えているし。
ほぼワンシチュエーションの映画なので、演出が下手だと演劇っぽくなりがちだけど、この作品はちゃんと映画に見える。

タイムループモノが大好物ってのもあるけど、割と真剣に今年の邦画暫定ベストに推しても良いと思える良い映画だった。
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