夏日

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないの夏日のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「部長、私たち 同じ一週間をずっと繰り返してます」


「同じ一週間を繰り返してるんです」「おまえ今日は早く帰って休め」とタイムループを誰も信じず
働きすぎでおかしくなったとしか思われないところが、ブラックな労働環境らしさと合っててよかった。ひとりずつループに気づかせていくために上申していくが、部長にたどり着くまでのドタバタが面白い。

ループしていることに気づいてからは次に何が起こるかわかるから、どんなトラブルにも完璧に対応するし、それを武器に仲間を説得していく。停電と同時に懐中電灯を用意したり、頭を打ちそうになるからクッションを滑り込ませたり、…。タイミングも動きも完璧すぎて面白い。

課長を説得するのが難しすぎて面白い。失敗するたびにパワポを改善してタイムループを伝えるから、「根拠はないが信じるに値する事項」とか「このプレゼンは3回目です」とか出てくるし、挙句の果てには部長が次に言う言葉を先取りしてスパイドにのせる。部長&パワポ「よく柿食うパッキャラア〜」

部長のマンガを完成させるようと、みんな仕事を二の次にしてペンを走らす。「ぼく、コツを掴みまして インクはペン先にちょっとだけつけると描きやすいですよ」とか全然関係ないスキルを得てて面白い。何度もマンガを完成させるうちに部長のマンガを好きになってくる。「このマンガ、意外と深いよな」

部長のマンガは、バンドでメジャーデビューを夢見た男が、夢を叶えるために妖狐の力で何度も人生をやり直すというもの。最終的にひとりの女性と平穏に過ごした人生で満足するが、大きな会社でバリバリ働きたくて同僚と関係が悪化していた主人公の吉川との対比がいい。

何度も仕事できるならよりよい仕事をしてヘッドハンティングされよう考える吉川。何度もタイムループして同僚と協力したり、部長と夢について話たりするうちに、自分の夢とみんなのことどっちをとるのか?と悩む。自分で悩み、納得して選択することと、自分を認めてくれる人がいることの大切さを感じた。

吉川の担当してる広告案件が面白すぎる。炭酸味噌汁タブレットってなんだ…。ブレストや提案資料でキャッチが大量に登場するけど、どれもそれっぽいけどハチャメチャなところがいい。オレが一番好きだったのは「NEO国民食」。ヤバい。

たぶん低予算だったんだろうけど、ストーリーや演技、その他からもそれを感じさせなくてすごい。タイムループで同じシーンを繰り返し観てるのに全然飽きない。ギャグが面白くてテンポもいいし、タイムループを繰り返すたびに前のシーンとの違いに目がいって、どう変化してるのかワクワクする。
夏日

夏日