SSDD

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのSSDDのレビュー・感想・評価

3.8
◼︎概要
目覚めると事務所で何か夢を見ていた気がする…思い出せない夢。同僚達も同様に会社に泊まりそれぞれ起き始めると鳩が窓にぶつかった。部長が出社して能天気な声で挨拶する。
デスマーチな1週間徹夜の日々、同じ日々を繰り返しているように感じてしまうが…本当に繰り返しているとしたら。
この1週間を抜け出すことはできるのか…。

◼︎感想(ネタバレなし)
自分の仕事もITまわりやらなので、デスマーチで来る日も来る日も終電かタクシー、帰って寝て仕事を繰り返すうちに何曜日かも何日かもわからなくなったというのはよくあったし、地獄の日々から抜け出せないのではないかと思った日々もありました。

それこそSSDD=same shit different day
"日は変わっても同じクソ"です。

そんな多忙な日々が繰り返されていたら…という現実的な生活臭の強いタイムループものがすごい。

自分だったらどうしているだろうかと考えた発想と違う展開、思考の登場人物達と異様に哀愁を感じさせられるキャラクター性が魅力的な作品。

自分ならとりあえずなんら興味のない賭博、競馬の当たりを全て覚えて、賭けるとかするなぁ…。

普通のタイムリープものは主人公だけが恩恵に預かるものが多いが、複数人というのと、1週間と長期間はなかなか斬新でした。

低予算と思われるながら、しっかりとした構成力と表現力。邦画にありがちな酷い棒読みなどもなく、すんなりとキャラクター性を感じられるのも良かったです。














◼︎感想(ネタバレあり)
・やる気搾取のブラック
正直毎日同じことのように忙殺され徹夜が続くと日々ループしているような錯覚を覚えるという、ブラックありがちな感覚をタイムループものとして仕上げるのは面白い。

結局憧れと言って入る先も土日に余裕で電話かけてくるクソな会社なので、今の会社から転職しても高みとやらに目指せているのかわからなくなるだろう主人公。
忙殺されているとなおざりになる人間関係にも触れ、部長の漫画で人生を諭されるというくだりは嫌いじゃなかったです。

・予告の出来
そもそも予告の出来が良すぎて視聴にいたったが、出来が良すぎてこの地味な作品での見せ場がほぼ全て描かれてしまったので期待値以上ではなかったという本音。

難しいですね、内容を隠せば面白さは伝わらないし、入れすぎるとネタバレが強くなる。映画は告知の作り方も含めて、作品なのかもしれません。予告を外注してるとか問わず…。

・総評
なんとなくいそうな同僚タイプなどキャラクター性も魅力的で演技力も高く、わざと嫌味なキャラクター性でのイライラなどストレスを与えないで構成されていること。転職先はストレスキャラだけど…。

ブラックあるあるからタイムリープに落とし込み、スケールの小さな物語を無駄に風呂敷を広げずにそのまま初志貫徹し、ツイストもないのに良い映画だったと思わせられる作品は素晴らしい。

なかなかスケールしないのに満足感の高い映画って多くないはず。
予告を裏切らない面白さに脱帽でした。
SSDD

SSDD