イベリー子豚

Pearl パールのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

Pearl パール(2022年製作の映画)
3.7
「【ミア・ゴス】の」
「【ミア・ゴス】による」
「【ミア・ゴス】ファンと」
「【『インディ』干され・ブラーフ】の為の」
「華麗なる前日譚」
「『X』と130度違う角度のセンスを魅せる
【タイ・ウェスト】って一体……」
「キーワードは【1918年】【スペイン風邪】
【スターへの憧れ】」
「屋外用ダッチ・ハズバンド」
「世界一遅くて怖い鬼ごっこ」
「《私は人妻よ!!!》
「《いずれ……誰もがあなたを怖がるわ》」
「《その気持ち、覚えていて……》」
「《……私、何かした?なぜ私を置いていくの?》」
「《あれ……私たちの豚??》」
「《合格するなら私かあなたのどちらか、ね》」
「死体のデコレーションはやっぱり【A24】!
オマケが無くても続編が楽しみ!」





これは案件ですわ。

【A24】から
『アナベル』もとい
『バービー』への挑戦状ですか??


物語は78年から1918年へ。


お決まりの「納屋」から始まり
レトロポップでキュートで
非常に残酷なタイトルバック。

16ミリフィルムはテクニカラーへ。


当時のカルチャーを彷彿とさせながら
クライマックスは「血祭り」以上に変態的な
「超長回し一人芝居&顔芸」でフィニッシュ。


主演に共同脚本でここまで
ハメを外せるなんて……【ミア】ネェったら
トんだニンフォマニアやで。



しかしながら
個人的に残念ポイントが2つ。


まず「母親との確執」が長い。


重要なキーポイントなのは分かります。

ただ
主人公に注がれる(植え付けられる)
「過剰な愛」「劣等感」「嫌悪感」を
観客にまで疑似体験を強要するような
ハードコア仕様にしなくても。


おかげで
中盤以降の「殺戮ランチタイム」、
クライマックスの「オーディション」まで
ド派手な見せ場がずっと待機中ですよ。


前作より
アクティブな登場人物も少ないから
途中で一時、集中力散漫に。


もっと「ミュージカル・テイスト」多めでも
良かったんじゃないかしら。



もう1つはメタファー。

『X』では
「B級(クソッタレな)ホラー映画」ひいては
「映画制作そのもの」をメタな視線で
ネタに昇華。

脚本や演出の中で
しつこいぐらいイジり倒し、それが新鮮で
めちゃくちゃツボに刺さりました。


今回はそれが……ぐぬぬぬ。


偶然なのか
「スペイン風邪」を「コロナ禍」に見立て
そこにまさかのタイミングで
「ウクライナ侵攻」。
「第一次大戦」ですね。


「ステイ・ホーム」ならぬ「ステイ・ファーム」は
シャレが効いてるとは言え
やっぱり「自虐を交えて構造を皮肉」していた
前回の方が一枚上手に思えます。



とはいえ
細部から全体までの作り込み、
前作からの伏線・小ネタもサービスたっぷりで
飽きさせない努力は凄まじい。


『X エックス』←→『Perl パール』と
順不同で鑑賞出来る
バリアフリーなストーリーもとても素敵。


「世にも邪悪な『ラ・ラ・ランド』」は
流石におこがましいでしょうが
舞台をテキサスから
「79年、ロサンゼルス」と移す
完結作『MaXXXinE マキシーン』への期待は
「トリプルエックス」間違いなし、でこざいます。



ちなみに先走って上映前に買うパった
パンフレットが最高にイカしているので
こちらもオススメです。