Ginny

湯道のGinnyのレビュー・感想・評価

湯道(2023年製作の映画)
2.6
試写会で鑑賞。

キャストがとても豪華でした。
日本の文化、お風呂を中心にした映画ですがその実堪能できるのはお風呂ではなく日本が誇るオジ俳優では…?というくらい錚々たる面々がどんどん出てきて画面を彩ります。
角野卓造、寺島進、小日向文世、笹野高史、柄本明…こんなに素敵な俳優さんがいるのに、できるのはこんな映画なのかと少しだけ寂しくなりました。

採算が取れない街の人たちに愛されている銭湯の経営について、日本にありがち〜な気合いとやりがい搾取で頑張る感じがもう、2023年でもこんな映画なんだ、こういう内容の映画にこれだけネームバリューのある人たちを起用して大々的に公開するからには日本国民もその意識を引きずるし、政治家がなあなあなのももうその系譜だよねと思った。日本全体ぬるま湯。

夏木マリと橋下環奈ちゃんのやりとりで涙が出てきそうになって気づいた。あ、これ千と湯婆婆だ。湯婆婆の趣のあるセリフを耳にした時条件反射的に目がうるっときた。千と千尋の神隠しを思い出して、あの映画に出会えたことが人生の価値のあることかもしれない、と思った。

別に全ての映画が政治的な意味を持たたくても、意味がなくてもって意見もあるかもしれないし思う時もあるけれど、その文脈があってのあえての意味がないならまだわかるのですが、何も考えてないのに意味がないみたいなのが日本映画に多くて辟易としてしまう。
私は全ての映画は政治的であるべきだと思う、尚更今の時代なら。エブエブのダニエルズもそんなこと言ってましたよ…
生きる上で欠かせない政治的な事柄とここまで乖離した映画が量産され続けるってことはもしかして日本国民ってみんな現実逃避してるってコト?!

銭湯で歌うのが天童よしみさん級だったらウェルカム以外の何者でもない最高

小山薫堂のカメオ出演の仕方があからさま過ぎて萎えました
Ginny

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