雨宮はな

ちひろさんの雨宮はなのレビュー・感想・評価

ちひろさん(2023年製作の映画)
4.0
原作よりもいささか親しみやすさのある「ちひろさん」ではあるけれど、しっかり「ちひろさん」だと思える。

自分で自分の名前をつけることや、呼ばれたい名前など、名前への意識が少し変わる気がする。
ネームロンダリングだか、居場所ロンダリングだかで「身軽であろう」とするちひろさんに親近感を覚えた。

周囲の人たちの問題が何も解決していないのに、ちひろさんが関わったことが転機になっているとわかるのが不思議で面白い。
この作品において“母親”というものが害悪の象徴だというのも興味深かった。
おかじ家の父親は害悪ではあるけれどブラフで、本当の害悪は母親。
まことの母親はお手本のような害悪だし、ちひろさんの母親もしかり。

父親も母親も自分で見つけていい。
名前だって自分で考えて決めていい。
この作品は今でも誰かを救うけど、10年後にもっと多くの人を救うかもしれない。
雨宮はな

雨宮はな