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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEのSSDDのレビュー・感想・評価

4.0
◼︎概要
人の精神を計測し犯罪係数を割り出すことで人の心を暴くシビラシステムにより、日本は他国と異なり平和を獲得する。
鎖国状態だった日本も戦争からの復興していく世界に取り残されないよう、移民の受け入れを開始。世界的に屈指の統計学・行動学の権威が秘密裏に来日予定だったが、謎の組織の襲撃に遭う…博士の研究とそれを狙う組織とは…。

◼︎感想(ネタバレなし)
重厚なSFサスペンス物であり、哲学的、宗教的、善悪とそれを裁くのためのあり方を常に問う作品群のアニメ2期と3期を繋ぐストーリー展開となっている本作。

アニメだけ追っていたらすっぽり抜けたところを全て補完された上に、カタルシスも激しく、それぞれの登場キャラクターの描き方も、アクションシーンも丁寧。
特にアクションシーンは以前から細かく練り上げられている印象だが、今回は兵器による戦闘シーンなども織り交ぜられ一層楽しめるものとなっている。

数多の犠牲の上に思想を守ろうとする殉教的思想と自己犠牲が本作では重く、毎回なんらかの恐ろしい思惑による重厚なストーリー展開になるが本作は物悲しく感じた。

まぁ本作を観た後でもやはり至上の1期、それよりは劣る2期から超えられない壁が3期にはある。

物語の思想、哲学には驚かされるが、スケールの大きさを上げていけばいいというものでもない。
1,2期の国内での人の精神のあり方と正義、魑魅魍魎とした全体最適のための犠牲を問わない闇に抗う作風のままで良かったかなとは思います。
















◼︎感想(ネタバレあり)
・サイガ・ジョウジの死亡
あまりにも辛い…コウガミ、ツネモリの両名との捜査協力時のセッションが魅力だったため、本作で殺したことで3期無敵の意味わからん主人公が生まれたとしか思えない。唯一本作で不満はサイガ教授の死亡。

・エースパイロットスドウ
弾幕シューティングばりに避けに避け、機体を全損させないスドウの化け物じみた操作が観れて楽しめた。あとスドウのツテが凄すぎるが、エースパイロットだっただけはある。

・シンドウ
いまいち理解できなかった、理念や行動の胡散臭さと償いと称した動きで結局サイガを死に追いやったとしか思えない。
許せん、息子もわけわからん。

・総評
諸々コウガミ、ギノザの活躍もドミネーターのテンションの上がる認証シーンも、主題歌にED曲も素晴らしく。ファンの期待を大きく応える作品だった。
これで終わりで3期なくても良かったまである。ツネモリの法をなくさせないための自己犠牲が大きなカタルシスを産む素晴らしい作品でした。
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