私は、本当に
オスカーの音楽が大好きなんだな、と思いました。
数日、仕事中ふいにsoft sandsの冒頭があたまのなかを流れ続ける日がなぜか続き、天啓のように上映を知って観に行きました。
そうだ、オスカー・ピーターソンってカナダの人なんだ、と思い出すことから始まりあっという間にものごとをさらってしまうドキュメンタリー映像、楽しく、見ました。
ふだんオスカー・ピーターソンの名前なんか、隣の人に告げても、はて?という顔をされるのがオチの世界線に、私も生きているので、みんなをあっという間に夢中にさせたオスカー・ピーターソンの偉大さ、大きさには、私もこの映像で初めて出逢うような気がしました。欧米圏では、こんな温度感なのですね。
教科書的に、マイルス・デイヴィス、ビル・エバンス、ウェス・モンゴメリーなど聴いて、かっこいいし、好きだとも思ってはいたけれど、これは、とてつもなく、好きになってしまうかも知れない、と入門になってくれたのが、ありがちかも知れませんが私にはピーターソンのGirl Talkでした。忘れられない、人生の愛聴盤のひとつであるのだろうと。今でも大好きで、折に触れ大切に聴き続けています。
いわゆる、ハード的な、プログレッシヴ的な方面からは好きにならなかった、入り口にはならなかった私にはJazzというジャンルだったので、ただもう明るくて、音楽の楽しさ、きらびやさかのあるピーターソンが入り口になったことは、当時も、今も、深く納得し続けています。
若い頃の、エネルギー、パワー、往年を経ても変わらなかったウォーミングさ。
もう、とにかく、楽しさも、切なさも、あたたかくて、優しくて、劇中の聴こえてくる音にも、涙を誘われる。
ひとりの人間がこれだけのエネルギーを持ち得る、という彼の優しい音楽には、包み込んでくれるような広さがあります。
明るくて、楽しいのは笑って眺めてしまうようかところがあるけれど、あたたかくて、優しいところには、私は、本当に、泣いてしまいます。ずっと好きなんだろうなぁと思いました。
彼自身が裏表のない、物事を目の前にあるそのまま、として受け取るような真正直な人だったのでしょうね。
私にはないところなので、今も羨ましくもあり、呼吸をつくとき、大事にしようと思っているところです。
音楽で、ひとつ世界の広さを教えてくれた、恩人です。