とむ

アクトのとむのレビュー・感想・評価

アクト(2022年製作の映画)
1.8
うーん、何が言いたいんだろう…

一本の作品としてみるにしてはあまりに取り留めがなさすぎる。
多分、監督である田中夢さんに、今作を通して意見したいこととか主張したいこととかないんじゃないかな。日常を撮影してたらなんとなく出来あがっちゃった、っていう印象。
「保育園落ちた。日本●ね。どうすんだよ、私活躍できねーじゃん」を思い出した。


「こんなに頑張ってるのに報われない自分」を前面に押しすぎてて、なんか下北沢の三流劇団の押し付けがましい自己満足芝居見てるみたいだった。

いや、実際子育ては本当に頑張ってると思うし、30を越えて大学(しかも立教)に入学して学び始めるとか並大抵の努力ではできないと思うし、
話を聞きたい人に突撃したりと行動力はあって本当にすごいとは思うんだけど、ホントそれだけなんだよな。
「頑張ったね」って褒めて貰いたいだけの身内向けのホームビデオって感じ。

それを「リアル」な出来事を追求してるとして「是」とするか、
それにしたって一つの映画なんだから、やっぱり製作者の意思や一つの意見として何かしらまとめて欲しかったとして「非」とするかはそれぞれによるかもしれないけど、
僕は完全に後者でした。


もちろん、明確に「夫婦喧嘩」を仕掛ける奥さんの最初の一言のタイミングとか、
「あ、嬉しいです。配役は…あ、小間使い…」とか、
明らかに演出付けて撮られてるシーンも多々あるので、考え無しに撮影してる作品とは言わないけど、単純に観てて退屈だった。

今作を通して伝えたいことが「自分のやりたいことも子育ても両立したいけど、世の中そんなに甘くないのよ〜」だとしたら、
「世の中ネガティブに考えすぎだろ」と思ってしまいました。


でも今作がPFFにノミネートされて、
観にきた人たちが評価していく現実を目の当たりにしてると、実は共感性は高くて、求められてるのがこう言うものなのかも。
とむ

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