磨

正欲の磨のレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.6
朝井リョウの第34回柴田錬三郎受賞作の映画化作品。家庭環境、容姿、そして性的嗜好など“選べない”背景を持つ人たちが、生きていくために模索するする姿ー。

近年、言われ続けている“多様性”というモノに疑問を投げかける衝撃作品としても話題の映画。
これはなかなか良かった。俳優として新たな顔を見せてくれる新垣結衣に目が行きがちだが、内容に関してもちょっと共感できちゃう部分もあったし、さすが朝井リョウさんと思わざるを得ないのは流石である。

ただ、少し消化できない部分や納得いかないところがあったのも事実。何が?とは言わんけど、結局それで“多様性”を纏めちゃうんだねと残念に思ったし、こういう描き方がマイノリティを逆に追いつめてないかとも思った。
間違いなく良質な作品だからこそ無意味な“粗”を感じてしまったのは残念。

スッキリ!という感じとは違うが、ラストの新垣結衣と稲垣吾郎の対比があまりにも良かった。「普通の事」です。
磨