ラダ

正欲のラダのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.5
原作読了のタイミングで大きな衝撃を受け、本作公開後も高い評価だったので期待していたんだけれども…。

今まで「普通」扱いされていた最早古い人。「多様性」を高らかに謳う今風な普通の人。そんな人らの括りのなかで理解される側に居る人。でも別に理解なんかされたくない人。そもそも浅い知識では、その中にすら存在しない人。

多様性が叫ばれ、ジェンダーギャップ、LGBTQの問題が身近になり、ルッキズムやハラスメントは断罪される。でもペドフィリアは多様性に含まれることなく、当然ではあるが憎むべき性犯罪者である。

こんな込み入った話題が緻密に紡がれるからこそ、原作に圧倒された。そして今回、映像化の難しさを改めて知った。

原作を読んでなければ、普通によい映画なのだろう(だからスコアは平均点にしておく)。新垣結衣をはじめとした俳優陣も普通に素晴らしかった。でも、この「普通」を取っ払って欲しいから、妻には終演後すぐに、小説を読むよう強く促しておいた。
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