ラダ

ゴジラ-1.0のラダのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.5
キャストのおかげで、キャストのせいで「らんまん」ならぬ「ごじらん」と言うワードが頭を過ぎるほどに、良くも悪くも日本人的。当然一番の良さは、絶望的ですらあるゴジラの存在感だ。

冒頭、まだ幼いゴジラが無邪気に人を千切っては投げ、千切っては投げる。そして立派に成長したゴジラが自由奔放に銀座の街をなぎ倒す。

しかし、ガッズィーラではないオーセンティックなフォルムや顔立ちだからこそ、圧倒的に恐いはずなのにどこか憎めないゴジラ。電車を咥えて満足気な姿はどこか我が家の愛犬ぽさすら感じてしまう。正直かわいい。

それにしても、怪獣大戦争マーチは無条件に興奮してしまう。日本人のDNAに何かが組み込まれているんではないかと訝しむぐらいに沸る。スポーツの推しのチームが王者に挑む感じに似ているかもしれない。

ただし、「ごじらん」っぽさ。つまり朝ドラ感は正直邪魔。朝ドラが嫌いなんじゃない。朝の15分間にゴジラは不要であり、ゴジラに作為的な人間ドラマは不要だ。ゴジラに立ち向かうこと自体が人間ドラマなはずだからだ。

ここ泣くとこよ!と山崎監督からの目配せがあるが、そういうのはどこかの何丁目かでやっておいて欲しいところ。特に某船長さんは夕日に向かって思う存分叫ぶといいかな。
ラダ

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