どいたま

フェイブルマンズのどいたまのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.0
スピルバーグが自らの人生をエンタメに昇華した渾身の随筆映画!

ものすごいものを観せて頂きました。
映画と共に生きる若者の端くれとして、大変ありがたく学びの多い"おじいちゃんの昔話"を"楽しく""観せて"もらいました。(30代が若者かは意見が分かれるところではありますが、スピルバーグに比べると大体の人間は若者のはず!)

世界最高峰の大ベテラン映画監督であるスピルバーグがこれを形にしてくれたということが大変貴重だし、大変幸運だし、本当にありがたいなと思います。

母の秘密を知ってしまったサムが秘密を打ち明ける"あのシーン"。
映画だからこそできる語り口、映画でしか語れない語り口、正に"映画で語る"あのシーンを初めとして、「映画の楽しさ」を改めて思い出させてくれる、良い映画だなと思いました。

終わり方もいいですね。

『地平線が下にあると面白い絵になる』
『地平線が上でも面白い絵になる』
『地平線が真ん中だと死ぬほどつまらん』

シンプルだけど、的確。
この学びをスピルバーグ自身も意識してるよ、というラストカット。
これほどまでに私的な作品でありながら、この作品の作り手の目線を明確に意識させるのが、この最後の最後の僅かな瞬間のみであるというのも上品ですね。
どいたま

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