悪魔の毒々クチビル

Accident Man 2(原題)の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

Accident Man 2(原題)(2022年製作の映画)
4.4
「フラミンゴ!フラミンゴ!」

事故に見せ掛けて標的を仕留める殺し屋アクシデントマンが、友人を人質に取られマフィアのバカ息子を護衛する羽目になったお話。


U-NEXTに来ていたんだけど「死霊のはらわた」の新作に気を取られて、最初気が付かなかったんで後でまた新作一覧を見返して「え!?これも来てるやん!!」と無駄に喜んでしまったやつ。

ただ無駄に喜んだ甲斐はありましたね。
前作よりも断然面白かったです。
コミックの映画化作品ですが当然そっちは読んだ事ないので、何処から何処までが原作のキャラやストーリーをベースにしているかは分かりませんが今作でより敵味方ともにキャラがキャッチーで良かったです。
何なら主役のスコット・アドキンス演じるファロンが若干薄くなるくらい。

前作からはファロンの育ての親とも言えるビッグ・レイと殺し屋仲間で発明家のフレッドが続投。フレッドは意外でしたし、久々に再会してそのまま相棒になるのも意外でした。
ビッグ・レイとは前作のラストからピリピリした関係が続くも、綺麗に和解出来て良かったね。最後の自撮り3ショットも微笑ましかっただけに、演じたレイ・スティーブンソンの急逝が悔やまれます。

特に気に入ったのが、中盤以降はバカ息子を狙う殺し屋が次々襲って来て殆どアクションシーンで構成されている所。
しかも全員強いから一回一回のバトルに見応えがあるのも良いね。
殺人ピエロのポコなんかは、最早何番煎じなのかってくらい逆に存在感が薄くなりかねない気狂いピエロキャラなのに、めっちゃ印象的なピエロでした。
格闘はそこそこながら痛みを感じない体質なので、ファロンにボコボコにされても構わず襲い掛かって来るホラーキャラで気に入っています。

今回はファロンにも味方がいて、それがサラ・チャン演じる太極拳使いのスー・リン。
殺し屋ではなく、ファロンが修行(と贖罪)の為に雇っているお姉さんですが彼女も非常に滑らかな動きで格好良いアクションを見せてくれます。
中指立てて挑発してくる所が好き。
他にもいくつかアクション映画出ていますが、ほぼ国内版が無いのが残念。

最後のファロンvs最強忍者オユミ戦はとにかく速い。ここがハイライトと言わんばかりにド派手な戦いでしたが、決着の付け方はちょっと不満が残りました。

ちょいちょいCGでのエフェクトがショボかったのは残念でしたが、アクションはよりキレが増していてとても良かったです。
あとファロンが強制的に護衛させられたバカ息子が、マジでクソバカで鬱陶しくて観ているこっちもしっかりイライラさせられましたがラストはスッキリ。

殺し屋でも心が許せる友人は必要だよね、みたいなエンディングで前作の出来事に苦しんでいたファロンが漸く苦しみから解放されたような、スッキリ感のある終着点も好みでした。
今まで観たスコット・アドキンス出演作の中で一番好きです。
もう何作か続編あっても全然アリだと思います。