このレビューはネタバレを含みます
ありがとがんした。
先進的な花巻のイクメン父による、手の掛かる跡取り息子 賢治の子育て奮闘記。「いのちの停車場」の出来が今ひとつだった成島監督に一寸心配していたが、直木賞受賞の原作は面白く、役所広司はナイスキャスティングだなぁと映画化の報を聞き楽しみにしてた本作。結果役所広司を愛でる映画だった。頑固で青臭いインテリの宮沢賢治は愛せるキャラじゃないので、菅田将暉は熱演してたと思うが、役所に良いとこ取られて一寸気の毒。大正和装の森七菜は大層可愛い。坂井真紀との親子感が見事。ボケた祖父役の田中泯に張り手喰らわせキレイに死ねやと一喝する気丈な妹トシを好演。あんなシーン原作にあったかしら？どこで撮ったのかイーハトーブこと岩手の風景が美しかった。親子言い合いのシーンなど時々カメラが不安定で気持ち悪い。分かりやすく泣かせにくる一寸雑な脚本。そこで雨ニモマケズはずるい。泣カズニイラレズ大マケ。ラストシーンは蛇足気味。いきものがかりもお呼びじゃない。宮沢賢治の作品を読み直したくなった。宮沢家の子孫にも想いを馳せる。私はこんなに息子のことを愛して世話してないなぁ…ああゆう父に私もなりたい…かな？
