とても安定した美しさの玉城ティナさんと、かなり不安定なかわいさの松本穂香さんというアンバランスなキャスティングで、2人の顔立ちだけで成立させているような作品でした。
2人の演技は不自然でぎこちなく、2転3転する脚色も、物語の主軸がブレるだけの効果しかなかったような印象です。
2人の視点で描かれる健太郎ですが、かなり一方的に悪者にされています。なんとなく女性関係が派手でだらしないのかもしれませんが、無数の女性の写真がプライベートなものなのか確証がありません。女性モデルを撮影するカメラマンなら、仕事の写真を保存していてもおかしくないはずです。それをすべて破棄してしまう2人は完全に犯罪者だし、彼の部屋を破壊しまくってもシラを切る態度は、ほとんどドン引きものでした。
この2人の共犯関係を女性の友情をして描くには、やっていることがあまりに独善的で極悪すぎます。そもそも健太郎は、働きながら認知症ぎみの祖母の面倒を1人で看ている好青年という設定なので、ちょっと可哀そうになりました。
中島歩さんは、女子大生に熱をあげる中年の男性講師という役柄がぴったりでした。登場した瞬間にその雰囲気をまとっているところがすごかったです。
