このレビューはネタバレを含みます
これがプライムタイムのTVドラマなら許せるけど、ドキュメントが得意なこの監督ならってハードルが上がり切った状態で観ると厳しいかも。
余白を残すような「映画的」な作りに見せて、実際はテーマをセリフで複数回しゃべらせるとか、山田杏奈が結局、自分の意思で何も決断せず常に流されているとか、ちょっとコレじゃない感が。
他人の宗教観に口出ししたくはないけども、「見えざる力」と「人間の意思や決断」とは基本的に食い合わせが悪いんだから、ちゃんと線引きして整理してから描かないとブレブレになるよ。
「解放」されていく山田杏奈が美しいのは確かで、そこまでは良かったからこそ、ラストの処理がなぁ。ヌルたくない？
「空気」に殉じさせて不条理を描くでも良かったし、「デンデラ」や「八つ墓村」を想起した自分としては、ハチマキにローソクを刺し、鎌と鉄砲で村人たちを処してゆく山田杏奈が観れたら最高だったのに。
