イベリー子豚

aftersun/アフターサンのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.9
「計算された技アリ映像と」
「聴覚を刺激する巧みなサウンド」
「シンプルにして複雑」
「時系列と長回しと謎会話劇」
「……ということは」
「もう『TAR/ター』ですやん」  
「『WAVES/ウェイブス』の類義語ですやん」
「11歳と131歳の瞳に映った世界」
「スコットランド発バカンスINトルコ」
(カッパドキアは巡らない)
「サムタイム明滅反応アリ」
「《パパは……ニンジャの動きしてる。たまにすごくヘンなの》」
「《まだスネーキングしてるぜ?》」
「《パパが11歳のときはどんな将来、想像してたの?》」
「《歌のレッスン習わせてやろうか?》
《……お金、無いんでしょ??》」
「《人生で一番最高だった》」
「オマケはないけど爽やかな苦味のあるエンド」




檸檬ですね。

フレッシュで甘酸っぱく、刺激的でビター。

しかも初夏を越えてサマーバケーション。

こりゃ日焼け止めは必須ですわ。


さて
何でこんな無関係な話を
ウダウダしてるかと言いますと……

鑑賞し終わっても、よく分かんなかったんですよ。


「単なるホームビデオ」なのか
「どこか後ろめたくて恥ずかしい記憶」?
もしかしたら
「いつまでも眩しく輝く大切で儚い思い出」??


解釈丸投げキングダムだったんです。

でもそれは
無責任な思考停止の脚本家挫折じゃなくて
観る人の背景に合わせて
深読みと想像をかき立てる
全部、計算済みの複雑で高度なトリックアート。


他にも比較するかのように
時折、視界に入る「幸せそうな家族」「カップル」
「イチャイチャ」たち。


試してくるよねぇ~コチラを。笑

僕の場合は
・本当の父親じゃない。
・余命わずか。
・精神疾患を抱えている。
・同性愛者。
・実はヴァンパイア。

のどれかに狙いを定め
この何気ない数日間の毎日をずっと見守っておりました。



ともすると退屈だし
たまにホラーだし、秋田書店的エロティシズムも
チラホラーだし……
結構、一筋縄ではいかない作品です。


結局、
【ゲイリー・オールドマン】が暗躍しない
『LEON』だったんじゃないかなと
イベ子も想いを馳せたりしたとか……しないとか。