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JOGI -街が炎に包まれた日-のBaadのレビュー・感想・評価

3.7
アリー・アッバース・ザファルといえば傑作アクションスリラー”Tigar Zinda Hai"がなぜか本邦未公開な娯楽映画の名手ではありませんか。それがNetflix映画だとここまで力抜くの?と最初は思ったりしたんですが、いつしか引きこまれていました。

知らない事件(これは本国でもタブーだったらしい)がテーマで役者さんたちが良かったので見て良かったです。

ジョギンダールの大学時代の親友の刑事をモハマッド・ジーシャーン・アッユーブが演じていて出世したなあ、という感じです。悪役デビューでずっと重要な脇役でキャリアを積んできたのですが、今回はかなり大きめの役。印象的な顔立ちなので、この人が出ているとつい見てしまう。

主演のディルジート・ドーサーンジはパンジャーブ語映画のスターでボリウッドにも進出していますが、この映画では時としてランビール・カプールにそっくりに見えて混乱しました。二人とも魅力的ではありますが、二枚目俳優には見えないのですが、インドだと堂々と二枚目なのかしらん?

この政府が裏で煽った対シク教徒暴動というのは会議派の時代のことですが、モディ政権もあちこちで対イスラム教徒暴動を煽ったり、挙句のはてにカシミールの自治権を取り上げたりしていることは事実なので、政府への批判の矛先を逸らす目的の映画という面もなきにしもあらず。

とはいえ埋もれてきた歴史が掘り起こされること自体は悪いことではありません。

この監督はアクションの演出だけでなくミュージカルシーンの扱いがとても上手なので、それがほぼないのはとても残念。

この暴動に関するもうちょっと掘り下げた映画の日本公開と共に、この監督の過去作の公開も強く望みます。
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