磨

春に散るの磨のレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
3.6
ノンフィクション作家、沢木耕太郎の同名小説を佐藤浩市、横浜流星ダブル主演で映画化したヒューマン・ドラマ。夢破れた男たちの生き様が交錯する汗くさ‥じゃない、激アツムービー。

メインキャストは格闘技経験豊富でボクシングのプロライセンスも取得した横浜流星、同じくライセンス保持者でタイトルマッチでセコンドをした事もある片岡鶴太郎、ボクサー役を演じたことのある窪田正孝。
そして監修・指導はトレーナー役としても出演した松浦慎一郎。関わった作品は「あゝ、荒野」「BLUE」「ケイコ 目を澄ませて」という“名ボクシング映画請負人”。そりゃ凄いのも当然である(笑)

彼らの描き出すリアルで迫力満点な試合&練習シーンボクシング映画としては邦画歴代随一ともいえ、これだけでも目の超えた格闘技ファンも唸らせるモノだったし、今をときめく橋本環奈や山口智子&坂井真紀などかつてトレンディドラマの中心にいた女優たちの熱演も見どころで、キャスティングにはとことん本気度を感じる。

ただ、ここまで拘り抜いたからこそ気になるのは寄り道が多すぎてちょっとだけ無駄の多いストーリーは少し残念。ヒューマン・ドラマは結構なんだけど、今作に関しては純粋に試合を観たいところか‥。

ボクサーに例えると、強いんだけど判定に持ち込むことの多いチャンピオンかな(決してK田とは言ってない)。
やはり作りこんだ本作の理想は井上尚弥になっちゃうんだよなぁ(高すぎるわ笑)
磨