ゆきえ

君に幸あれよのゆきえのレビュー・感想・評価

君に幸あれよ(2022年製作の映画)
-
運営している映画のオープンチャット( #チネマット )でオンライン試写&座談会を開かせていただいたのですが、是非劇場でも鑑賞したいと思い、トーク付き上映回に伺わせて頂きました!
好きだと思った物にはお金払いたいの😌 

債権回収など裏稼業で生計をたてる〈真司〉は新入りの〈理人〉の教育担当になる。
過去の経験から人に興味を持ちたくないと心を閉ざしている〈真司〉と、掴みどころのない不思議な魅力を持っている〈理人〉の距離がどんどん縮まっていく過程が良かったです。
〈真司〉はいかにも“怖ーいお兄さん”なんだけど、なんだかんだで最初から〈理人〉のことを突き放すことはなくて兄貴分と言う表現がとても似合う。
〈理人〉は一緒にいると良い意味で力が抜けるような存在。
そして、ご飯を食べさせてあげたくなる笑
ラーメンの食べ方が独特で、それはそれは美味しそうに食べるので鑑賞後はきっとラーメンが食べたくなると思います!

衣装もとても良くて、私は映画やドラマで服を着回してる作品が好きなんですが、着回ししつつシャツや帽子など合わせてる物のバリエーションも多くて、可愛くてセンスめっちゃいいなぁ!ってワクワクしました。
〈理人〉が〈真司〉の服を勝手に着た時のやり取りがお気に入りシーンです。
好きな台詞は「袖!」です笑

ダークサイド物って苦しい気持ちになることが多いけど、この作品は最終的にはそれを超える愛おしさが込み上げてくるのがとても良かった。
エンドロールからラストカットにかけてがめちゃくちゃ素敵で温かい気持ちになりました。

2人が他人の幸せを願えるようになったことが嬉しかった。

こちらの作品は主演の #小橋川建 さんが役者を続けるかどうか悩み、
役者人生を掛けて「主演映画を撮りたい。舞台挨拶をしたい。」と言う想いを #櫻井圭佑 さんに伝えた所、櫻井さんが快諾して下さり
相方役は #髙橋雄祐 さんしかいないと声を掛け3人で企画をスタートさせたそうです。

それから2日で脚本を書き上げ、2週間後にはクランクアップと言う凄まじい熱量と行動力から生まれた作品。
スクリーンからもその熱が溢れていて、人の心を動かすってこう言うことなんだなと。

熱量だけじゃなくてクオリティも高くて、
櫻井さんは本当に初監督なんですか?って疑いたくなったのですが、俳優としても写真家としても活動されてるそうで、その経験が引き込まれる画力と出演者の魅力を映し出した形になっているのかなと感じました。

小橋川さんと高橋さんはとても爽やかで優しいお人柄で、オンライン座談会では役との印象が凄くてそのギャップが魅力に感じましたが、上映後のトークでご本人が話されている姿を見たら役と重なる人望や人柄も感じて、とても素敵な役者さん達だなぁと純粋にファンになりました。
劇場にはお三方の仕事仲間なんだろうなって方も沢山いらっしゃってて、丁寧にご挨拶する姿が印象的でした。

この作品に関わる全ての人に「君に幸あれよ」と願いたくなる夜になりました。劇場に行って良かった!!
 
現在の上映館は渋谷ユーロスペースの1館、
連日20:40〜1回のみの上映ですが、沢山の人にこの作品を観て欲しいのでお近くの方は是非劇場へ足を運んでみて欲しいです!
レイトショーでちょっと遅めの時間からですが、78分と観やすい上映時間なのでお薦め✨

沢山の方にこの作品が届きますように。
上映館が増えたら嬉しいなぁ!
ゆきえ

ゆきえ