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M3GAN/ミーガンのtakumiのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
4.0
玩具会社の優秀な開発者である主人公ジェマは、両親を事故で亡くした姪にAI搭載アンドロイド『ミーガン』をプレゼントするが、次第に暴走を始め…

ジェームズ・ワン&ブラムハウスがプロデュースのAI殺人人形ホラー、ホラー×ブラックコメディ×真面目はドラマのバランスが良い、安定の面白さで大満足です!

ミーガンは可愛いけど不気味な絶妙な塩梅のルックスで良かったし、体操なんかもやってる子役が中の人として演じてるらしく、話題のダンスや不気味な動きもナイスです。

レイティングの関係で残虐シーンがカットされてるなんて話も聞くとおり、意外と死人が少なめなのは残念ですが、お決まりのびっくりシーンやジワジワくる不穏な雰囲気もあり、ホラーのツボもきっちりと。ラストには新型vs旧型、商業主義に染まった現在vs初心なバトルもアツいし、どう見てもターミネーターな死んでねえ!シーンも好き。(残虐シーンマシマシなディレクターズ・カット版とかもあったら観てみたいな〜)

お話自体は想像以上にまとも。「親」になった主人公の苦悩や子育てとテクノロジー、子供の成長、行き過ぎた商業主義などなどベタだけどその辺りのテーマを誠実に、丁寧に描いていて良かったです。主人公やミーガンも含め、登場人物に明確な悪意のある悪いヤツが殆どいないのも印象的。

殺人AI人形まで行かずとも子供にスマホの類で暇潰しさせるのはもはや当たり前だし、そういう子育てが将来どういう影響を与えるのかも分からない。でもただでさえ疲弊した社会で子育ての負担が減るならそれも悪くないし、なんて考えちゃいますね。親になるための練習とか勉強って、無いもんなぁ。テクノロジーの進歩にもついていけない今日この頃。

柄にもなく難しいことを考えてしまいましたが、そんなテーマでも謎の不気味ダンスぶっ込んだりファンのツボをきっちり押さえてくれるところも信頼できる男、ジェームズ・ワン。好き。

全米で結構ヒットしたのも頷ける誠実なホラー映画です。ベタはベタだけど、安心して楽しめるのでぜひ!

追記
パンフレットは文量自体は多くはないですが、IT評論家の方などのコラムはタメになるし、インタビューやプロダクションノートもなかなか楽しくて良かったです。でもパンフの表紙くらいは本国ポスター準拠でもいいのでは…(日本版の映画ポスターダサすぎ問題で、ポスターはアートじゃなくて宣伝なんだとか言われてたけど…)

(家にアレクサいるんだけど、大丈夫かな…)
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