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ゴジラ-1.0のtakumiのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.6
1947年、戦後間もない日本に現れたゴジラ。元零戦パイロットの敷島たちは軍隊も武器もないなかでゴジラに立ち向かう!

30作品目となる今作、実に真っ当なゴジラで超楽しかったです!

VFXはハリウッドに負けず劣らず、(と言えないところもややあった気がしますが)かなりのクオリティ!逃げ惑う人々を踏み潰し、銀座を破壊し尽くす鬼神の如き姿
は恐ろしいことこの上ないです。世界を救うヒーロー的なお祭り感はハリウッドにお任せして、戦争や原爆の象徴に立ち返ったゴジラはとても良かったです。

災害を描いたシンゴジとは対照的に、人間を描いた今作のドラマ面もなかなか好き。皆さんオーバーアクト気味ではありますが、多少クドくても、反戦だったり、人間の生をキッチリ見せ切っていて心に残ります。ちょっとランボーが頭をよぎりましたが…。神木くんと浜辺美波のコンビ、昭和似合うね。あと堀田艦長役の田中美央さん、見た目の説得力がハンパないので今後も色んなアクション映画に出てください。

武装解除された戦後日本が舞台なだけあって登場兵器も独特。とはいえ高雄の登場シーンは超カッコよくて、艦橋潰されても主砲で応戦するところも最高です(欲を言えば主砲以外の武器使ってるところも見たかった)。トンデモ兵器が出ない世界線ですが、幻の戦闘機震電が出てくるあたりも男のロマン要素を忘れない山崎監督、好き。噛ませ犬役戦車も四式戦車を出すあたり、監督の癖が伺えます。

肝心の対ゴジラ作戦は一作目のように海に沈める方式を取るのも良かった。流石にオキシジェン・デストロイヤーはありませんが、本当にそうなるのかはさておき、リアルっぽい作戦はシンゴジ感もあってワクワク。ツッコミどころはありつつも、待たせたな!の燃えまくりシーンも大好きです。伊福部サウンドもここしかないところで使われてて良し!(最後の最後、不穏な匂わせシーンはいらんと思うなぁ…)

監督の好きが詰めこまれながらも、実に真っ当で癖のないエンタメとしてのゴジラで大満足でした。ぜひ劇場でご覧あれ!

追記
パンフレットは監督やキャストのインタビュー、舞台裏話が充実していて楽しかったです。重巡洋艦高雄を出したくて戦後すぐを舞台にした、みたいなことが書いてあってニッコリしました。登場兵器解説とかレビュー記事が欲しかったですが、満足度は高めです。(けど値段少し高いな)
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