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Sin ClockのBATIのレビュー・感想・評価

Sin Clock(2023年製作の映画)
2.0
大人に全くなれていない、不良にもなれない中年男性を演じる窪塚洋介の魅力は出ており、悪い方向にか進まないヤダみは面白いのに、映画そのものがイキり倒しスベり散らかす演出をしておじゃんになっているのはどういうことなんだ。一時停止線を守れていないのは作品そのものだ。

坂口涼太郎の上手さ、窪塚を喰いかねない存在感の葵揚と役者たちは良いのだけど、レザボアとタクシードライバーにロックストックをかけ合わせてあとは、監督が何をやりたいのかにつきるはずなのだが、開幕2秒でイキりの方に全振りしてしまっている。それでもこの監督が男を良く撮りたい熱は伝わる。

ほぼ毎シーンでブラックアウトを繰り返す+付いてくるスコアがとにかくノイズでこれはスマホ依存人間対策なのかカッコイイと思ってやっているのか分からないがとにかくノイズで、トータルで演出することの自身とプランのなさを逆証明してしまっていた。

会話劇が面白い訳では全くないけれども坂口涼太郎のシークエンスだけは彼の演技でもたせていた。あと女に対する悪意が誰に対しても満ちていた。ちょっとこれは弁護しようがない。以上。
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