真世紀

たすけびとの真世紀のレビュー・感想・評価

たすけびと(2022年製作の映画)
4.0
2022年は東京国際映画祭もフィルメックスもほぼほぼ行けなかったが、 12月は #OPフェス へ。ピンク映画のR15版をテアトル新宿で上映という企画。この数年、足を運ぶようになり、舞台挨拶有りの回の上映をこの日までで7本観終わる。だが、ポスタースチールセットプレゼントには達せず、残念!

この日は「たすけびと」。訳ありで飛び出てきた娘(根尾あかり)、見かねて食事と寝床を提供した人助けに尽くす町の名物男・つーさん(山本宗介)。脚本の小松公典さんがTwitterのスペースで話していた虐待を受けていた子供の同級生への関わりなども作品に反映され、こんな風に作品に結実するんだと。

助け、助けられの重なりが生み出す、何とも人情味ある温かい作品でした(あんた、普段、ホラーや殺伐ヤクザ映画ばかり観てるからそう感じたんやん?という指摘は無視する)。ピンク映画、コメディーやらホラーやら様々な作品有るけど、基本的な特徴として人、弱者に向ける視線のあたたかさを感じる事が多い。この作品もそうでした。

上映前の舞台挨拶は小松さん、根尾さん、小関裕次郎監督、つーさんの女気ある恋人役・竹内有紀さん、アル中オヤジ役の森羅万象さんが登壇。関根和美監督の遺したプロットに基づいての企画の結実までの経緯をその奥さんも壇上で共に語ったり。

緊張すると出てしまうという根尾あかりさんの劇中でも披露のウフフ笑いにはついつい魅了されましたが、小松さんの着ていた北尾アピールTシャツもプロレスファン的にはツボでしたわ。

小ネタでは、見知らぬ男性の住居へ連れ込まれ、警戒心を隠さぬヒロインに、自分の好みは熟女だからと示したAVのパッケージが並木塔子さんだったのに吹きました。
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