イベリー子豚

忌怪島/きかいじまのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)
3.0
「毎年、違う土地(舞台)で」
「全く別の食材(キャスト)を使って」
「全く同じ味(物語・展開・演出)を作りあげる」
「真夏のコピペ錬金術師」
「ホラー界のディアゴスティーニ」
「タカシ、はじめました」
「こと【しみずのたかし】の2023年1球目」




これはもう……もう、これは……。


「本人以外、全員がダメだと思ってるモノを
正面から鬼の首を取ったかのように
ドヤ顔で否定して斬りつける」ことが
いかに、ナンセンスかは知っています。


「イヤなら観るな」ハイ、その通り。


だがしかし……いくら何でも限度ってもんが……。


なにわファンも
乃木坂ファンも
ホラーファンも
邦画ファンも
民俗学・都市伝説ファンも
沖縄(?)離島ファンも……。

誰一人、得をしないこのクオリティ……。


まかり間違って
「たまたま日本に遊びに来ていた【A24】関係者が
《おっしゃ!折角だから現地のホラー、キメてくっしょ!!地産地消っしょ!!》」なんてことになったら
どーするよ!!?


「Jホラーの最前線で申し訳ありません!!」ってか!?


「内容より客引きで勝負してスミマセン!!」なんて
恥ずかしいと思わないの!!?



よーし!こうなったら
昨今の提言ブームにのっとり、イベ子もひとつ
ブヒらせて貰おうってもんじゃッオリャ!!




テンポよく過剰書きでいくぜオリャ!!


・第一に画面が暗ーーーーーーーーい!

ホラーなんて夜か闇か
周囲が黒ければ黒いほどイイ……んなワケあるか!!

もう平成じゃねぇんだよ!!
価値観、古っ!!
まだアップデートしてないの!!?


カラフルで夢カワなPARCOの広告みたいな
「スクリーン映え」があるからこそ
血ミドロスプラッタ殺戮エンタメが
華やぐんじゃん!!

ギャップどこよ!?


・「クローズド・サークル」活かせてなーーい!!

「村」シリーズも大概だったけど
今回は流石に「島」だぜ!!?

物理的な外界の遮断とか
日常からの解離とか……もっとメリハリあるだろ!!

ギャップどこよ!?


・キャラクターが20年前のラノベ!

そもそも
大学生なのか社会人なのか、年齢もポヤポヤ!!

それに
「天才」のイメージが「WindowsXP」時代から
進化してなーーい!

さらに「天才」の部分が本筋とほぼ無関係!
なんそれ!?どうゆうトッピング!?


「関西弁ウザ兄貴肌」と「オラ系ウザチャラ男」も
「ホラー映画で一番先に死ぬフラグ」の
テンプレがヒドい!!

もはや死ぬために無理やり転生させられた
使い捨てキャラ!!


「絶対に最後まで生き残るフラグ」も通用しなくなったこの時代に意外性が行方不明!

ギャップどこよ!?

・ついでにキャスティング!

完全にミス!
今回は西畑くんじゃない!!

「神木くんにオファーかけたいけど
予算とスケジュールがなぁ……」
「それっぽい感じで集客出来そうなのは……」
「まぁ、ボーイズグループかジャニーズだよな……」

……かい!!?

「自分、天才なんで距離感とか掴めないッス」
「自分、チェリーだけど恋愛興味ないッス」
「自分、天才でチェリーだから
たまに、あざとく子犬っぽい上目遣いするッス」

ちゃうねーーーん!!!

ギャグでやってんのか
ギャグに見せかけた……やっぱりギャグなのか……。


どっちにしろ
西畑くんじゃガチっぽくて
なんか笑えないーーい!

せめて誰かツッコミ役を……!
相棒を入れてやってくれよ!!


そしてヒロイン。

見せ場、無!?
産後でお疲れ様と言いたいけど
あまりに存在価値が……!!

もはやモブ!ただならぬ色気のあるモブ!!
意味あんのそれ!?
活躍レベルが生駒ちゃんとほぼ同じ!!


今回は
「恋愛しろ!」とも
「美脚を拝ませろ!」とも言いません!
もっと立ち位置を考えてやってくれ!!


さらにもう一人、セカンドヒロイン。

CM、ドラマ、NHK、MV、映画と
緩やかに世代の頂点に立とうとしている
選ばれしJK。當真あみ。

流石よ。
この映画が破綻しなかったのは
唯一、彼女のナチュラルで健康的な魅力があったから……。

でも惜しむらくは
不必要な「なにわタイム」に出番を割かれ
真価を思う存分、発揮出来てない!!

むしろエピソード的には
彼女こそを主人公にすべきだろ!!
脚本どないなってんねん!!


あと相変わらず怨霊役だけガチだな!!
芋生ちゃんの次はキララちゃんとは!!


素直に称賛出来るのは、毎回
ココと【なだぎ武】の死に様だけだよ!!




・研究室?ラボ?とVRゴーグルの完成度が激ヤバ!


なんなん?
スクラップ置き場から拾ってきたん?
自由研究で作ったの??
よく頑張ったねぇ~エラいねぇ~……なワケ!!

ただでさえ皆無の説得力が
ここにきて虚無化したよ!!

細部に神は宿るし
デティールに怨霊は群がる。

DAISOやCan★Doじゃ
禍々しい呪いは発動しないんよ!!

インテリアデザイナーは発注できへんかったか!!
30年前の特撮やってんちゃいますよ!
世界中の佐藤可士和よ!オラにセンスを!!

ギャップ(?)どこよ!!?



・ロケーション下手!!

折角のビーチも赤瓦の熱帯建築もほぼ空気!
「海中鳥居」以外、無くても問題ないって……!?

架空にしたいのか実在の島と思わせたいのか
ラインもよく分からへん!

ゴーヤ出すなら
「沖縄のどこか」で断言したらええやん!

創作なら『TRICK』や『金田一少年の事件簿』みたく
もっと不思議で違和感のある舞台作りをしてくれよ!!




……やばっ、滅茶苦茶クレーム言ってる……。
スミマセン。





まとめると
『マトリックス』『インセプション』
『レミニセンス』に影響された多感な中3が
受験勉強そっちのけ
夏休みフルベットで完成させたような
小学4年生向けのホラー入門編映画作りや
成功体験から過去作品の踏襲を
もうイイ加減、卒業して
清水監督には
「東映よりもメ~テレシネマが似合う」
「大人の怪奇オカルトホラー」を目指して欲しいって
ことですね。